"わぁ!綺麗なお花!"
"そこら辺にあったから摘んできた"
"ありがと!やっぱり※*#は優しいね"
"…うっせぇ"
眩しい光が目を刺激してくる。
「…ようやっと目ぇ覚めた?」
薄く目を開けると、目の前にソクジンさんの顔があった。
『…………わわっ、わっ、え!?えっ、、、え!?』
「何今更驚いてんだよ…朝っぱらからうるせぇ」
怠そうに頭を掻いて少しヨレた白いTシャツで目を擦る。
いや、逆に驚かない人っているのかな。
「2人とも、もうご飯できてるよ!」
バタンと強く扉を開けて、テヒョンイが叫ぶ。
「…うるさいやつもう1人居たわ。だってよ、行くぞ」
そういってソクジンさんはムクリと起き上がって、私を置いてテクテクとテヒョンイの方に歩いていった。
『行くぞとか言うくせに私は置いてくんだ…けっ』
…そういや、今日の夢なんだったんだろう。
5歳くらいの女の子は私の小さい頃にそっくりだった…が、肝心な男の子の顔が思い出せない。
それにあのお花……白くて小さな可愛いお花の名前も分からない。
前のお父さんは花屋を営んでいたから、大抵のお花は分かるはずなのに……
どこか心に突っかかるモヤモヤは消えないまま、私は静かに朝ごはんを食べた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。