今日はレンタル彼女のお仕事がある日
高橋恭平さん とかいう男性が相手なんだけど…
長尾「 んん、あなたちゃんもうお仕事…? 」
『 ちょっと謙杜袖引っ張ったら動けないでしょ 』
長尾「 まだ7時やんかぁ、 」
『 女の子は準備することが多いんだから仕方ないの! 』
長尾「 …一緒にいたいもん、あなたちゃんと 」
一緒にいたいもん
って言葉が
本物なのか職業柄なのかは分からないけど
ちょっと胸が高鳴った
『 そんなこと言ったって… 』
『 謙杜レッスンは? 』
長尾「 9時から 」
『 やばくないの!? 』
長尾「 大丈夫、だってまだ7時…7時!? 」
長尾「 ちょ、どうしよ、ねぇあなたちゃんどうしよう!!」
『 だから言ったのに、もぉ 』
長尾「 ごめんあなたちゃんんんん 」
いつも謙杜がレッスンをする場所はここから片道一時間半
私の仕事の待ち合わせは9時半
送ろうと思っても私が間に合わないし…
『 謙杜どこでレッスンなんだっけ 』
長尾「 えっと、ここ! 」
『 え、 』
謙杜がスマホの地図に指を指した場所は
私がお仕事で待ち合わせしている所だった
もしかしたら謙杜のメンバーかな?
なんて一瞬思ったけど
第一アイドルがレンタル彼女を頼む訳が無い
長尾「 あなたちゃん? 」
『 …今日は送ってあげるから、早く行くよ! 』
長尾「 ありがとう!ほんま神!! 」
高橋さん、どんな人なんだろう
そんな事を思いながら私たちは車に飛び乗った
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。