第14話

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2019/08/28 02:52
部活に入ってから1ヶ月。部活にも慣れてきた。放課後に同級生や先輩とサッカーをするのはとても楽しい。それと、放課後は時々図書当番もあった。その時に喋るのもあってか、天川さんとはかなり仲良くなった気がする。相変わらずころころ変わる表情が可愛いと思うし、天川さんの話は聞いていてとても面白い。

しかし! そんな天川さんと、例の鷲木が最近話しているのを見ていないのだ……。引き合わせ作戦、難航中。これは由々しき自体である。そこへ更に追い打ちをかけられる事態が発生してしまう。



それはある日の昼休みの事。俺、鷲木、結兎のいつもの3人で弁当を食べてた時のこと。
鷲木 大地(わしぎ だいち)
鷲木 大地(わしぎ だいち)
あー、あの、お前らにさ相談があるんだけど……
そう切り出したのは鷲木。どうした?と俺と結兎で聞くがなかなか次の言葉がこない……。

しばらくして、鷲木はやっと口を開く。
鷲木 大地(わしぎ だいち)
鷲木 大地(わしぎ だいち)
いや、あの、俺さ……金土先生のこと好きになっちまったらしい
白鳥 海星(しらとり かいせい)
白鳥 海星(しらとり かいせい)
え?え?
望月 結兎(もちづき ゆいと)
望月 結兎(もちづき ゆいと)
な、な、な
海星と結兎
えええー!!!
2人声を揃えて立ち上がってしまう。クラスメイトの視線が俺達に向けられて、2人で謝りながら椅子に座る。
望月 結兎(もちづき ゆいと)
望月 結兎(もちづき ゆいと)
ちょ、鷲木、そりゃまたどうして?
鷲木 大地(わしぎ だいち)
鷲木 大地(わしぎ だいち)
いや……部活でいろいろ話してて、話が弾んでさ……。気づいたらって感じ
望月 結兎(もちづき ゆいと)
望月 結兎(もちづき ゆいと)
お前可愛いな。女子か?
鷲木 大地(わしぎ だいち)
鷲木 大地(わしぎ だいち)
ちげえよ!
望月 結兎(もちづき ゆいと)
望月 結兎(もちづき ゆいと)
で?告ったわけ?
鷲木 大地(わしぎ だいち)
鷲木 大地(わしぎ だいち)
いや、今日はそれを相談したくて話したんだが
鷲木と結兎の話を聞いているが、俺はそれどころではなかった。これでは天川さんと鷲木を引き合わせる事が出来なくなる。だから、必死に俺は口を挟んだ。
白鳥 海星(しらとり かいせい)
白鳥 海星(しらとり かいせい)
いや鷲木、相手先生だぞ?それ無理じゃね? 禁断だし、下手すりゃ先生クビになるだろ
鷲木 大地(わしぎ だいち)
鷲木 大地(わしぎ だいち)
海星それは分かってる。でも、俺はこの想いをこのまま仕舞おうとは思わねえ
望月 結兎(もちづき ゆいと)
望月 結兎(もちづき ゆいと)
いいぞ鷲木!それでこそおとこだ!
……あ、そうだ!部活のある放課後にでも鷲木と先生とで一緒に帰れば?金土先生って車じゃなく電車通勤だしさ。これ、良いんじゃない?
どんどん話が進んでいく。やはり、俺では2人を引き合わせる事が出来ないのか。
白鳥 海星(しらとり かいせい)
白鳥 海星(しらとり かいせい)
(いや、もしかしたら鷲木が振られるかもしれないし、その後引き合わせられるかもしれない。けれど……)
けれど鷲木の恋だって、友達として応援してやりたいとも思う。だから、今だけは……。
白鳥 海星(しらとり かいせい)
白鳥 海星(しらとり かいせい)
鷲木、そうだよな……。否定的な事言ってごめんな。その結兎のアイデア良いんじゃないか?
鷲木 大地(わしぎ だいち)
鷲木 大地(わしぎ だいち)
海星の言ってることは正しいんだ。ありがとう。……結兎のアイデアに乗ってみるわ
白鳥 海星(しらとり かいせい)
白鳥 海星(しらとり かいせい)
おう。鷲木、ファイト!
この後も男子3人による恋バナというやつが盛り上がり、俺は気づかなかった事に気づいてしまうことになる。

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