第18話

図書館
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2020/06/29 09:09
〜5日目〜
野上 奈子
野上 奈子
ねね、今日の帰り図書館行ってみない?
泉 亜美
泉 亜美
図書館?どうして?
野上 奈子
野上 奈子
声の主についてなんかあるかもしれないでしょ?
泉 亜美
泉 亜美
そんな簡単にある?
野上 奈子
野上 奈子
分からないから行くんでしょー?
泉 亜美
泉 亜美
ハイハイ。分かりましたよ。
ホント気になると止められないんだから
〜放課後〜
この村の図書館は山の奥にある割には立派な建物

だ。だからこんな山奥でも通いたくなる。まんまと

誘導されてる住民だ。
野上 奈子
野上 奈子
えーと。。あった!
泉 亜美
泉 亜美
××村の歴史〜声の主〜
この本は何代も前の村長が書いたらしい。

泉 亜美
泉 亜美
いつ書いたんだろうね?
野上 奈子
野上 奈子
西暦が載ってないんだよね〜
本にはこう書いてあった。
〜声の主〜

この本を開いた者は、何かしら歴史に興味がある者

であろう。

声の主をご存知か?

知ってる人がほとんど。。いや、今ここに居る者が

聞こえてしまった者かもしれん。

今がいつの時代かはあえて書かないでおこう。

書いてしまったら皆もっと気になってしまうだろ

う。

ここから先は悪魔で個人的に思っている事だ。

いつの時代かは言わないと言ったばかりだが、少し

だけ。少なくとも、私が生まれる前から声の主の噂

はあった。だから正直なところ、私にも分からな

い。

しかし、私は声の主のことを

「封印されたSOS」だと思っている。



助けを求めたくてもダメだった。。

誰も振り向いてくれない。。

お願いだから早くそっちに連れて行って。。



声の主の正体は恐らく、誰かに守って欲しかったの

だろう。だから「死後婚」でもいいからと。。

死後婚とはその名の通り死後に結婚する人の事だ。

こっちではもう手遅れだから、あっちに行ったら一

緒にいて欲しいと。

声の主の正体はそう伝えたかったのだと思う。

泉 亜美
泉 亜美
。。。
野上 奈子
野上 奈子
これが本当だったらなんか悲しいね。。
泉 亜美
泉 亜美
ウチらみたいだね。聞いて欲しいけど誰も振り向いてくれないみたいな?話す勇気がないって言うか。。
確かに、助けたいけど助けられない。。いや、助け

てはいけないSOS。

つまり、「封印されたSOS」

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