第20話

7日目
41
2020/06/29 09:10
〜7日目〜
いよいよ最終日だ。

私達はもう負けないぞ!

ホントにいるなら出てらっしゃい?
今日は奈子の家に日付が変わるまでお邪魔する事に

なった。

これで2人とも何ともなかったら私の言った事は本当

になる。って考えるとなんだかワクワクする。
〜11時58分〜
泉 亜美
泉 亜美
あと2分だよ。。
上野 美奈子
上野 美奈子
奈子、亜美ちゃん。ホントに。。
野上 奈子
野上 奈子
大丈夫!ね?亜美
泉 亜美
泉 亜美
はい。私達は、負けませんから!
〜11時59分〜
野上 奈子
野上 奈子
お母さん、万が一の事あったら。。
あんま悲しまないでね。
あたしが辛くなっちゃうから。。
あんな男に引っかかって。。
上野 美奈子
上野 美奈子
何言ってんの!
あんな男、生きてる価値もないわよ
泉 亜美
泉 亜美
結局退学になったんだよね?
推薦決まってたのにドンマイって感じ
まー自業自得なんだろうけど
〜30秒前〜
泉 亜美
泉 亜美
そろそろだよ
野上 奈子
野上 奈子
伝説が正しければあと30秒後。。
私達は奈子のお母さんも一緒に抱き合った。

伝説がホントならコレが最後の命だ。
〜10秒前〜
泉 亜美
泉 亜美
9
野上 奈子
野上 奈子
8
上野 美奈子
上野 美奈子
7
泉 亜美
泉 亜美
6
野上 奈子
野上 奈子
5
上野 美奈子
上野 美奈子
4
泉 亜美
泉 亜美
3
抱き抱える腕にみんな一斉に力が入った、
野上 奈子
野上 奈子
2。。
泉 亜美
泉 亜美
1!
野上 奈子
野上 奈子
1!
上野 美奈子
上野 美奈子
1!
最後はみんな同時に言った。
もしかしたらこれが最後かもしれない。。

負けないとは宣言したもののやっぱり不安だった。

上野 美奈子
上野 美奈子
奈子?亜美ちゃん?
大丈夫??
野上 奈子
野上 奈子
。。あれ?生きてる。。?
あ、亜美!亜美!
泉 亜美
泉 亜美
。。ん、あ、あれ?奈子?
2人は生きていた。

傷一つないと言ったら嘘になるが、しっかり心臓は

動いている。
泉 亜美
泉 亜美
生きてる?私達。。生きてるの?
野上 奈子
野上 奈子
生きてる!!
生きてるよ!亜美!
やっぱり声の主なんて居なかったんだ!
泉 亜美
泉 亜美
そうだね!私達。。勝ったんだね!
上野 美奈子
上野 美奈子
声の主がいない??
野上 奈子
野上 奈子
あっ、そっか。。お母さんにはまだ言ってなかったね。
亜美が気づいたんだけど。。
泉 亜美
泉 亜美
これだけ声の主声の主って騒いでるのに未だにその正体にたどり着いた人がいないって言うのはおかしいんじゃないかな?って思って。。
上野 美奈子
上野 美奈子
あーなるほど。。
そう言われるとたしかに変ね。。
野上 奈子
野上 奈子
でも、何百年も続いて、いつできたかも分からないような伝説だったら、とっくの昔に気づいてる人いるだろうって話になって。。
泉 亜美
泉 亜美
今日の帰り、小橋さんのとこ行ったんです
上野 美奈子
上野 美奈子
小橋さんって。。あの山奥の?
野上 奈子
野上 奈子
うん。
〜回想 小橋家〜
小橋さん
小橋さん
声の主は存在しない?
泉 亜美
泉 亜美
だって変じゃないですか?誰も知らないなんて。。
おばあちゃんも分からないんですよね?
野上 奈子
野上 奈子
幻聴とか、幻覚とか、そっちの部類なんじゃないかって
小橋さん
小橋さん
確かに絶対無いとは。。言えないわね
泉 亜美
泉 亜美
あれ?でもそっか。。
実際になくなった人がいるって。。
小橋さん
小橋さん
あーそれなら多分。。今の話が本当だとすると。。
小橋さんはこう話した。
声の主は何百年も続いてる伝説。当然、生まれてき

た新しい住民にも親が話す。出どころがわからな

い。つまり、知らない人がいない。そんな中で周り

の人がどんどん声が聞こえたと噂されたらどうなる

だろう。

幻聴や幻覚が聞こえてもおかしくないくらいの精神

状態だったら尚更連れて行って欲しいだろう。

声が聞こえた人の共通点の理由はこれだ。精神が弱

ってる中でどうせ一週間経ったら死ぬと言われてい

るのならこの機会を有効活動しようと。声の主が原

因なら悲しむ人の心が少しは楽になるだろう。

つまり、心情の誘導という訳だ。

野上 奈子
野上 奈子
確かに。。封印されたSOSだね
泉 亜美
泉 亜美
うん。。なんか切ない。。っていうか
てことは私達は。。
小橋さん
小橋さん
お2人さんは強いのよ。亜美ちゃんのお母さんもね
泉 亜美
泉 亜美
申し訳ない反面嬉しいよね
野上 奈子
野上 奈子
そうだね、生きてて申し訳ないってなんか変な感じだけど。。
小橋さん
小橋さん
あなた達はいわゆる村のヒーローかもね。
強いし、声の正体にも確証はないけど近づいた。
泉 亜美
泉 亜美
フフっ、ヒーローだって
野上 奈子
野上 奈子
ね!おばあちゃん、ありがとう!
小橋さん
小橋さん
お礼を言うのはこっちの方よ。
長年この村にいるけど、声の正体に近づいて教えてくれた人はいなかったわ。私が居る中ではね。
だから、ありがとう。亜美ちゃん、奈子ちゃん。
小橋さん
小橋さん
。。というわけで、1つお願いがあるんだけど。。
泉 亜美
泉 亜美
お願い?
小橋さん
小橋さん
あなた達は。。時期村長になって!
野上 奈子
野上 奈子
。。え?あ、あの。。ウチらが村長?
小橋さん
小橋さん
もちろん今すぐじゃないわよ。
しっかり学校で学ぶこと学んで、役場の人に推薦しておくから
泉 亜美
泉 亜美
いや、でも村長って1人なんじゃ。。
小橋さん
小橋さん
あなた達の第くらいは違くてもいいんじゃないかな?
野上 奈子
野上 奈子
でもいきなり。。村長なんて
小橋さん
小橋さん
もちろん絶対とは言わないわよ。
おばあちゃんの勝手な理想だから。
〜回想 終〜
〜野上家〜
上野 美奈子
上野 美奈子
というわけで、村長に任命されてしまったと
泉 亜美
泉 亜美
そういうことです。。w
野上 奈子
野上 奈子
でも私達が言ったことってほんとに正しいのかな?
声の主がいないって。。
上野 美奈子
上野 美奈子
私も何となく感じてたわよ。もしかして居ないんじゃないかって
野上 奈子
野上 奈子
え?お母さんも?
上野 美奈子
上野 美奈子
だって変じゃない。こんなに騒がれてるのに誰一人として未だに掴めないなんて
泉 亜美
泉 亜美
あたしと同じこと思ってたんですね。。
上野 美奈子
上野 美奈子
他の人でも感じてる人いるはずよ?
教えないだけで
野上 奈子
野上 奈子
なんで教えないの?
上野 美奈子
上野 美奈子
村の伝説を守りたいんでしょう
泉 亜美
泉 亜美
そんな。。人が死んでるんですよ?
上野 美奈子
上野 美奈子
いざとなったら人間なんてそんな物よ?
下手な噂流して嘘だったらどうしようみたいな
野上 奈子
野上 奈子
弱すぎない?w
上野 美奈子
上野 美奈子
あなた達が強すぎるのかもよ?
泉 亜美
泉 亜美
え。。
奈子のお母さんも感じてる。

私たちのような高校生でも薄々感じた。

てことは確かにこれくらいの事なら知ってる人がい

てもおかしくない。なんで誰も話さないのか。


野上 奈子
野上 奈子
。。怖いんじゃないかな?
泉 亜美
泉 亜美
怖い?
野上 奈子
野上 奈子
正体が誰も分からないんだから確証は無いわけでしょ?自分訴えたことが嘘だって分かったら余計罪悪感で支配されちゃうんじゃないかな?
実際に亡くなった人がいるってことなら尚更。。
上野 美奈子
上野 美奈子
物事を慎重に考える人ならそうかもね。。
これだけ騒がれてるんだもん
野上 奈子
野上 奈子
あっ、ところで亜美のお母さんはあれから。。
泉 亜美
泉 亜美
それがさ。。ちゃんと生きてるよ。
生きてるんだけど。。
どうやら人が変わったようで。。

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