〜7日目〜
いよいよ最終日だ。
私達はもう負けないぞ!
ホントにいるなら出てらっしゃい?
今日は奈子の家に日付が変わるまでお邪魔する事に
なった。
これで2人とも何ともなかったら私の言った事は本当
になる。って考えるとなんだかワクワクする。
〜11時58分〜
〜11時59分〜
〜30秒前〜
私達は奈子のお母さんも一緒に抱き合った。
伝説がホントならコレが最後の命だ。
〜10秒前〜
抱き抱える腕にみんな一斉に力が入った、
最後はみんな同時に言った。
もしかしたらこれが最後かもしれない。。
負けないとは宣言したもののやっぱり不安だった。
2人は生きていた。
傷一つないと言ったら嘘になるが、しっかり心臓は
動いている。
〜回想 小橋家〜
小橋さんはこう話した。
声の主は何百年も続いてる伝説。当然、生まれてき
た新しい住民にも親が話す。出どころがわからな
い。つまり、知らない人がいない。そんな中で周り
の人がどんどん声が聞こえたと噂されたらどうなる
だろう。
幻聴や幻覚が聞こえてもおかしくないくらいの精神
状態だったら尚更連れて行って欲しいだろう。
声が聞こえた人の共通点の理由はこれだ。精神が弱
ってる中でどうせ一週間経ったら死ぬと言われてい
るのならこの機会を有効活動しようと。声の主が原
因なら悲しむ人の心が少しは楽になるだろう。
つまり、心情の誘導という訳だ。
〜回想 終〜
〜野上家〜
奈子のお母さんも感じてる。
私たちのような高校生でも薄々感じた。
てことは確かにこれくらいの事なら知ってる人がい
てもおかしくない。なんで誰も話さないのか。
どうやら人が変わったようで。。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。