第4話

明日もまた
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2019/08/14 06:31
緋山「おはよー。ねえ、聞いてよ。」

白石「緋山先生、珍しくテンション高いけどどうしたの?」

緋山「あのね、美海子がね………」

冴島「緋山先生、落ち着いてください。」

緋山「あ、ごめん。ごめん。つい……」

白石「で、美海子ちゃんがどうしたの?」

緋山「昨日ね、あんなに火を怖がって過呼吸起こしてた子がだよ?」

緋山先生は昨日美海子とあったことを白石先生と冴島さんに話した。

白石「美海子ちゃんが?」

冴島「凄いですね。少しずつですけどPTSDを克服出来てきてると思います。」

緋山「だよね。…でね、今度は私と美海子と白石と冴島と4人で料理作って女子会みたいなことしたいんだって。」

白石「そうなんだね。」

冴島「私も是非、行きたいです。」

緋山「冴島が進んで行きたいって言うの珍しい。」

冴島「だってあの美海子ちゃんですよ?あの美海子ちゃんが4人で料理作ってって言う日が来るなんて。」

白石「確かに。こんなに早くその日が来るなんて。」

緋山「ちょっとちょっと……。美海子は私の大事で大切で大大大好きな妹なんだけど。」

そんな話をしていると遠くから可愛い妹が向かってきた。

美海子「ねーね、わすれものだよ?これはおいしゃさんにいちばんたいせつなものでしょ?」

そう言うと美海子はスカーレットの聴診器を出した。

緋山「え?これ私のじゃないよ……?」

すると美海子はニコニコっと笑って……

美海子「ねーね、きょうなんのひなのか、いそがしすぎてわすれちゃったの?きょうは………」

緋山先生は美海子とスカーレットの聴診器を交互に見て考えた。

藍沢「おい、仕事しろよ。」

白石「あ、はーい。」

冴島「分かりました。すみません…。」

緋山「う、うん…。」

緋山先生の頭の中はもやもやしていた。
緋山先生はもやもやしたまま仕事をこなし、今日も1日が終わった。

藤川「美海子ちゃん、今日は助かった。ありがとう。」

美海子「いえいえ。でもさいしょはきゅうきゅうしゃがくるっていわれたとき、なれてないからびっくりしたけどね。」

藤川「ごめんな…。」

藍沢「でもあの患者にどうこれからの治療方針伝えたらいいか、分からなくて困っていたんだ。本当にありがとう。」

美海子「いえいえ。またわたしみたいなかんじゃさんがきたらいつでもよんでね。」

藍沢「ああ。」

緋山「美海子~。」

美海子「ねーね、しごとおわった?」

緋山「うん。とりあえずはね。」

美海子「じゃあ、きょうしらいしせんせいとさえじまさんもいっしょにおうちきてじょしかいできる?」

緋山「うーん。どうだろう……。」

白石「大丈夫だよ。あと少しで終わらせる。」

冴島「私ももうすぐ終わりますから。」

そして白石先生と冴島さんは仕事を終わらせ、4人で料理を作って沢山笑って楽しい女子会をすることが出来た。

美海子「ねーね、これ…。」

美海子は緋山先生と白石先生、冴島さんの前であのスカーレットの聴診器を出した。

美海子「ねーね、ほんとにわすれちゃったみたいだね……。」

するといきなり部屋が暗くなりその次に電気が、ついたとき目の前に誕生日ケーキが置かれていた。

美海子「ねーね、おたんじょうびおめでとう。」

白石「お誕生日おめでとう。」

冴島「お誕生日おめでとうございます。」

緋山「あ、今日私の誕生日だったんだ……。すっかり忘れてた。」

美海子「ねーね、ふーーーってして。」

緋山「ふーーー。さあ、皆で食べよう。」

冴島「はい。……とその前に……。」

緋山「ん?」

白石「実はこの誕生日ケーキ、買ってきたんじゃなくて美海子ちゃんが作ったケーキなんだよ。」

緋山「え?そうなの?」

美海子「うん。いつもねーねにおせわかけっぱなしだから……。」

緋山「全然大丈夫なのに…。」

冴島「では、切り分けますね。」

白石「じゃあ私は盛り付ける。」

こうして楽しい女子会になりその次の日から緋山先生はスカーレットの聴診器を使うのでした。

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