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第7話

健人
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2020/07/19 07:06







" 健人の彼女、ブスすぎない? "


" ケンティーあんなやつより他の女優さんの方がいいって、笑 "


" なんであんなブスと付き合ってんのかな、笑 "


" まじ釣り合ってねぇっつーのっ!笑 "


" 健人の彼女、昔暴走族だったらしいよ笑 "


" えー?笑 私はヤリマンだったって聞いたなぁ笑 "







大っ嫌いで、大迷惑な、存在なんでしょう?



もう、私なんて死んだほうがマシなんでしょう?





このまま、あの止まることの無い車の中へ

飛び込んでいったら、私は楽になれる?

もう、みんなに、嫌われない?





そんなことを考えながら横断歩道の前で立ち竦む。




さっきの勇気は、決断は、なんだったの?

最後まで弱虫で、臆病で、






だから、釣り合わないって、言われるんだ。



健人は、凄く自信があって、

カッコよくて、愛嬌がよくて、

みんなに愛されてる人。






そんな人に私なんかが、釣り合うわけないんだ。



ほら、今の車だったら、一発だったじゃない、ねぇ、なんで行かなかったの、






「·········はぁ、」





私の目の前を通過していく車をみながら


頭に思い浮かぶのは、私の、大切な人の顔。健人の顔、





········また、逃した、昨日だって、一昨日だって、その前だって、あと一歩だったのに、





「········っあなたのばかっ、!!」




ほら、今日も、この人が、健人が、来てくれる。


ほら、今日も、私は、この人が来て、安心してる。


ほら、今日も、私は、この人に、甘えてる。







「·····けんとっ、」






「っ、心配、したんだからねっ、もうっ、」

「ごめんなさい、」

「大丈夫?怪我、してない?」

「うん、大丈夫」






やっぱり、私まだ死ねない、この人がいる限り。


死ねない。








ひとりじゃない。



そんなの、全員とは限らない。




本当に辛い人は辛いって言えない?




違うでしょう?本当に辛い人は辛いって言える人がいないの。助けてって言える人が、いないの。

だから、SNSに頼るの。





でも、芸能人だとか芸能人の関係者はSNSにそんな簡単に死にたい、だとか辛い、だとか苦しい、だとか助けて、だとか言えないでしょう?




笑顔を届けるお仕事だから。




私の場合、笑顔を届けるお仕事の人を支える仕事があるから、








言えない。なにも、







「俺っ、昨日も一昨日もその前もあなた、帰ったらいなくて、ほんとに今日こそは、死んじゃったんじゃないかって、考えて、ほんとに、俺あなたいないとダメだから、何言われてもあなたと一緒にいたいからっ、!!」






こうやって、私を必死になって

守ってくれる人がいるのに、



愛してくれる人がいるのに、






いつも、忘れちゃう。








例え、悪より正が多くても、


嫌より愛が多くても、





嫌、悪が目につくのは、人間の悪いところ。

愛がいくら多くても、

嫌が増えていったら、




もう、誰も、信じられなくなる。



今、電車の隣の席の人が、悪だったら、

今、前に座ってる人が、悪だったら、




そうやって、分かってるのに、愛してくれてる人がいるって、




分かってるのに、




考えちゃうの。







今の時代、簡単に、指先だけで人殺せちゃう。


ねぇ、今、君が、打ってるその文。


本当に、人を幸せにできるものなの?




いくら自分がナイフを出しても花束で返してくれるからって、


どれだけでも刺していいわけじゃない。



沢山刺したら、いつか、人は死ぬでしょう?

それと、言葉も一緒なの。



一回なら、急所をいかなければまだ生きれるでしょう?


でも、それが何回も何回も何回も積み重なれば




死ぬ。






もう一度、考えて。



あなたのその文によって幸せになる人がいるのなら

絶対に、その反対。傷つく人も、いる。




誰もが幸せになれるなんてこと、無いの。


幸せになった人がいるなら傷ついた人もいるの。




























貴方は、本当に、SNSを正しく使えていますか?




_____________



三浦春馬さん。


大切なことはすべて君が教えてくれたで

三浦春馬さんの存在を知りました。


とてもかっこいい方で、4日前。インスタ更新してたのが、嘘かのように、




何を抱えていたのか、私には分からないけど

相当、辛いことがあったんですよね。



死ぬほど考えてだした。あなたの決断。

否定するわけにはいきません。



ご冥福をお祈りします。





勝手ながら、この作品は三浦春馬さんのこと、その前に起きた誹謗中傷によって亡くなられた方々などを思って書かせて頂きました。



もうこれ以上。SNSを誤った使い方をする方が増えないよう、



願っています。




この作品の最後にもある通り。





あなたは、本当にSNSを正しく使えているか、考えてみてください。


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