第2話

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2020/05/10 09:36





そして訪れた昼休み、





中島くんが来る前に、来る前に、









そう焦りながらお弁当をカバンからだし



屋上へと急ぐ。







「…よかったぁ……」





無事、中島くん。回避。




好きだ、って言ってもお昼一緒に食べるとか


そんな、私には恐れ多いし


私は遠くから中島くんを見てるだけで


お腹いっぱいだしそんな、






なんて頭の中で謎のそんな攻撃を繰り広げてると


遠くから聞こえる誰かの声。



??「あなたちゃーーん!!あんれっ、待っててって言ったのに、」





紛れもなくこれは中島くんの声、


そして私の名前を呼んでる、




そっと運動場を上から覗いてみると裏庭や
体育館裏、ふじだな外で食べてる生徒達に
声をかけて私を探し回ってる中島くん。




私、なんか悪いことしちゃったかな、



そりゃそうだよね。待っててって言われたのに



待ってなかったんだもんね。








??「よ。あなた」


「…菊池くん、」


菊池「中島、探し回ってるねえ。笑」


「私なんか悪いことっ、」


菊池「大丈夫だって。急だったもんな。中島も中島で悪ぃって。勝手に決めて」






菊池くん、見た目はチャラチャラしてるけど優しいんだな。


だからきっと中島くんも信頼しているんだろう。





菊池「今俺のこと意外とか思ったっしょ。笑」

「なんでっ?!」

菊池「俺意外とそういうのさえてんだよなぁ。」






俺天才だわ、なんて呟く菊池くん。





「あの、中島くんにごめんなさいって伝えといてください。あとお昼誘ってくれてありがとう嬉しかったとも、」


菊池「…嬉しかったのに待ってなかったの?」


「…私を……あの子達と一緒にしないでください」





あ!ちょっ!、なんて声が聞こえたけどそんなの無視。



ただひたすらもう使われていない音楽室へ進んで行った。






「…やっぱここが一番。」





音楽室の真ん中にあるグランドピアノ。



椅子に座ってそっと開ける。






そして、鍵盤に触れる。





「今日は、何弾こうかな、」




いつも何かあったときはここのピアノを弾くんだ。



そうすると嫌なことも全部全部忘れられる。



どうでも良くなるんだ。





でも今日は、忘れられないみたい、




どれだけ弾いても、忘れられない、



























その中島くんがつけてるドルチェ&ガッバーナの香水のせいだよ、









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