二つ返事で承諾した。
今考えると相当危ない。
パンPDで本当に良かったと思う。
数日後うちに来たパンPD
その時の事は詳しくは言わないが
簡単に言えば勘当された。
二度と帰ってくるな
それが父の最後の言葉。
最愛の息子を死に追いやった忌々しい
愛人の子。
そりゃ憎いと思う。
母はあの日から私はないものとしていたから
特に何もなかった。
パンPDのおかげでパスポートも取れ
一緒に韓国へ渡った。
一応日本人だけど
今は韓国に帰化したから国籍も韓国にはなってる
うん。
私は日本の家族を捨てたんだよ。
大好きだった兄でさえも捨ててしまった。
それだけは後悔してる。
昔言われたことがある。
何かあればお前は日本に帰ればいい。
日本の家族に慰めてもらえって
でもごめんね。
私には日本に帰っても迎えてくれる家族はいない。
一度ダンスのことであなたとひどくぶつかったことがあった
なんでそんなにイライラしてたのか
今となってはわからないけど
心配して止めてくれたあなたに
完全なる俺の八つ当たり。
そしていってはならない事を言ってしまった。
そう小さく呟いて練習室を後にしたあなた
それを慌てて追いかけたのは
ユンギヒョン。
結局あの後少ししてあなたには心から謝罪した、
そりゃもう涙も鼻水も出しまくって汚い顔晒しながら
そしたら
そう言って笑いながら頭を撫でるから
また泣けてきて大変だった。
後からユンギヒョンに聞いた。
出ていった後ぽろっとこぼしたって
親友だと思ってたけど
チムには重荷だったかな?
わたしにもここしかないんだよ。
チムを傷つけてしまった。どうしようって
泣きそうな顔してたって。
今ならわかるよ。
自分で自分を追い詰めてる俺が心配で見てられなかったんだって
あれはあなたの優しさだったんだって。
あんなこと言うべきじゃなかった。
親友だって言ってくれたのに。
俺の方が何倍もあなたを傷つけたのに
簡単に俺を許しちゃう優しさ。
でも本当は色んなもの抱えてた。
情けないことにあなたの事
知ってるようで何も知らなかった。
こんなの親友失格だよね。
ごめんね。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。