Liveの配信が終わってすぐ
まとめていた荷物を片手に車に乗り込んだ。
もう二度と足を踏み入れる事のない宿舎。
私のいた面影は全て消した
ダンボールの荷物はパン代表のご好意に甘えて
事務所の倉庫に送らせてもらった。
マネオッパの車で向かった先でこれからの手続きをして
通された部屋は広すぎて私1人じゃ埋められない寂しさがあった。
マネオッパが何回も聞いてきた。
本当にこれでいいのか?
その度にこれでいいじゃない
これがいいんだと返したけど
それは自分を納得させる為の理由に過ぎなかった。
夜中予想していた通り韓国に戻ってきたであろう
メンバーからの着信。
それにまだ出られるほど
自分の中でも整理がついてなかった
引っ切りなしにかかってくる着信に
サイレントにして気づかないフリをした。
空には綺麗な月。
その明かりに照らされた暗い部屋で
1人泣いた。
明日にはちゃんと話をしよう。
ちゃんと嫌われよう。
そしたらもうこの携帯はただの四角い箱にしよう。
でも未だに変えられない私のロック画面は
7人の笑顔。
そんな事言ったらみんなは笑うかな?
きっともう見ることはできないだろうから
せめてここだけは笑顔のままで
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。