第103話

Ep.90
167
2021/04/05 21:02
韓国に来て少し経った頃から



徐々に体の調子は悪くなっちゃって



痛みも強くなってしまって



前以上にご飯も食べられなくなってしまって



ほぼ点滴と薬とで生きているような状態



それでもねみんなが来るってわかってる時は



不思議と体調良くて



食べれなかったはずのご飯も食べれたり



笑い合えたり



痛み止めも必要なかったり



みんなのパワーはすごいなぁって思ってた。




でも確実に体は言う事をきかなくなりはじめてて




視野も少しずつ狭くなって




呼吸も少しずつしにくくなり始めて




ギターも上手く弾けなくなってきて



歌も上手に歌えなくなってきた。




その度に涙が出て




悲観的になって




看護師さんに当たって




またそんな自分に絶望して




それを繰り返してた。




テレビで皆んなを見るたびに苦しくて



なんで私なの?って



そんなことばっかり呟いてた。




病気は人を弱くするって本当なんだね。





守るべきものができてしまったら




消えてしまうのがこんなに怖くなっちゃうんだ





幼少期の自分に言ってやりたい





世界はこんなにも暖かいけど




未来は時として残酷だ。



一瞬一瞬を大事に生きろって。




あんなに時間を無駄に過ごしてた私を




張り倒してやりたい









そう言えばこの頃だったかな?



ある日フラッと来たホビ兄。



手にはピアッサーを持ってた。



ピアスを開けるのか?と聞いたら



私に開けて欲しいって




なんで?って聞いたら















ピアスを開ければ人生が変わるんでしょ?って














それを聞いた時




ピアッサーをホビ兄に突き返した。



親にもらった体に穴を開けたくない。



その信念を私の為に曲げることなんて



ダメだと思ったから。



それに私はね



ピアスホールのないホビ兄の耳や



その信念が大好きだったから。



だから拒否したの。




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