秋の匂いが強く感じ始めた頃
俺たちはシヒョクヒョンに呼ばれた。
緊張しながら向かった社長室。
そして差し出されたのは小さなUSB
そのファイルの中には見覚えのある字体。
俺らの名前とおそらく曲名。
あなたが作った曲。
その音源に吹き込まれたあなたの声
すごく懐かしかった。
そう言って渡された音源をどうするべきか
きっとあなたは俺たちを思って書いたんだろう
もう出会うこともないと思って
だからだろう。
この曲の中に自分への曲がない。
それがすごく悲しかった。
この曲一つ一つ俺たちにとっては
とても大切で大事にしたい曲になった
とても特別でだからこそ
あの日以外この曲を歌うことは無くなった。
そんな事言ったらあなたは怒るかな。
あなた・・・。
俺ちゃんとリーダーやれてる?
みんなを守れてる?
お前が守りたかったもの
ちゃんと守れてる?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。