第18話

Ep.5
290
2021/03/20 02:43
ソクジン
ソクジン
あ・・・
ソクジン
ソクジン
ㅎㅎㅎㅎ






部屋の本棚の中に大切にしまっていた一冊のノート








あなたのクセのある文字で書かれた







『防弾メシ』の文字








デビューしてしばらくはまだ暇があった俺ら







まだまだ育ち盛り食べ盛りのマンネ達を食べさせる為








暇がある時は俺が食事係。







1番歳が上ってこともあって







変な責任感からも率先して作ってた。







それに料理をできるのが俺とユンギぐらいだったのもある。







そのうち忙しくなって宿舎にも帰れなくなり






食事もケータリングやインスタントばかりになり






寝不足と栄養の偏りから





皆常にイライラして







集中力も失い







心のバランスと体のバランスを崩し始め






仕事にも支障をきたし始めた頃








ある日楽屋に並んだ韓国と日本の家庭料理






懐かしい味に泣きそうになりながら食べた







後から聞いたのは忙しい中早くから起きて








あなたが準備した。








それから食事係があなたになった






楽屋に備え付けられたミニキッチン






そこで作られるバランスのいい暖かい料理







そしていつしか心も体も安定し






食事のありがたみを知った。







そんな折に忙しい最中あなたが管理栄養士の資格を取った









《ナム兄Air pods34個目紛失記念ディナー》







《ホビ兄の希望ランチ》






《ユン兄の顔色・クマ改善メニュー》






《テーくんの豆類克服メニュー》





《チムのダイエット応援メニュー》





《ぐぅの筋肉維持メニュー》











《ジン兄いつもありがとうの気持ちたっぷりメニュー》







ソクジン
ソクジン
ㅎㅎㅎ



誰かのセンイルの時はケーキも作ってくれて




その時誕生日の子達の好物を並べて




卵焼きですら作れなかったあなたが





うちの健康を支える専属の栄養士になるなんて






デビュー当時は思いもしなかった











このレシピの中にはみんなの笑顔が詰まってる。




いつだってこの料理を食べてる時は皆笑顔だった






大豆ミートで作ったボロネーゼをうまいうまい言って食べてるテヒョンアを見た時は笑いが止まらなかった。





そんな大切なレシピノートの横にあるパンドラの箱






手をつけずそのままにしていた





あなたの軌跡






それに手を伸ばした





嗚呼…





ずっと見ないふりしていてごめんね。










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