第38話

Ep.25
234
2021/03/25 09:45





いつだったか…









いつも涼しい顔をしていたあなたが










ダンスレッスンで息を切らして










簡単なフリも間違えるようになって










膝に足をついて苦しそうにしていた。











その光景があまりにも見慣れてなさすぎて










みんなでびっくりしたのを覚えてる。












ホソク
ホソク
あなた大丈夫?休憩しようか?
貴方
貴方
はぁ…はぁ…大丈夫。続けて…
ジミン
ジミン
でもすごい汗。休憩しよ!無理しちゃだめだよ。
貴方
貴方
大丈夫だってばッ!!
ジミン
ジミン
ッ!!!!!!
ソクジン
ソクジン
あなた?どうした?何かあった?
ジョングク
ジョングク
あなたヌナ?今のヌナ見てられないよ。ちょっと今日はもうやめよう。
貴方
貴方
ぐぅもチムもうるさいッッ!!大丈夫って言ってるでしょ?ホビ兄続けて!
ユンギ
ユンギ
あなたッ!!!!今日のお前おかしいぞ!
ユンギ
ユンギ
いい加減にしろ。見てられねぇよ
ユンギ
ユンギ
何があったか知らねぇけど
2人に当たるのは違うだろ!!!
貴方
貴方
ッ!!!!ごめん。ちょっと頭冷やしてくる……




珍しく声を荒げたあなた











それに圧倒されて動けなくなったヒョンやジミナにグギ。







それに反応したのはユンギヒョン。










練習室を出て行ったあなたをそっと追いかけた










練習室を出て少し行ったところにある










自販機前のベンチ










あなたの後ろ姿が見えた。











貴方
貴方
はぁ……
テヒョン
テヒョン
ため息ついたら幸せ逃げるよ…?
貴方
貴方
最近さ思うようにいかなくてさ…
テヒョン
テヒョン
うん。
貴方
貴方
前は出来てたことができないことに焦っちゃって
テヒョン
テヒョン
うん。
貴方
貴方
あんなの八つ当たりだ…
テヒョン
テヒョン
うん。
貴方
貴方
はぁ・・・





この頃のあなたはいつものあなたらしくなかった










なんなくこなしていたステップも










狂うことなかった音程も










なんとなく違和感があった。










単なるスランプ。









そう思ってた。









だから俺はこう言ったんだ
テヒョン
テヒョン
そんな時もあるよ。
テヒョン
テヒョン
あなたは頑張りすぎなんだよ。
テヒョン
テヒョン
今までが出来すぎてたんだ。
テヒョン
テヒョン
少し足踏みしてもまだあなたは間に合うよ
テヒョン
テヒョン
焦らなくても大丈夫。
テヒョン
テヒョン
いつも涼しい顔してツーンってしてるあなたより人間味があっていいと思うよ。
貴方
貴方
そうか…
テヒョン
テヒョン
もう少し甘え上手になりなさい!
テヒョン
テヒョン
見てごらんよジニヒョンなんていつもヒィーヒィー言ってるよ。
テヒョン
テヒョン
すぐ休憩言うしさ。
貴方
貴方
ㅋㅋㅋㅋㅋ
テヒョン
テヒョン
はい。
貴方
貴方
ん?何?
そう言って差し出したアイスココア。










俺が行き詰まったときはいつもコレ。










甘いものって嫌な事も癒してくれるから。










そう言って渡したココアに怪訝そうな顔を浮かべながらも口をつけたあなた
貴方
貴方
うわっ。甘っ・・・
テヒョン
テヒョン
え?美味しくない?
貴方
貴方
うん。ちょっと甘すぎるね…
テヒョン
テヒョン
ちぇっ。俺の優しさ・・・
貴方
貴方
ㅋㅋㅋㅋありがとう。テー君の優しさにはいつも感謝してるよ。
そう言ってはにかんだあなた










でもスランプとか言う簡単なものじゃないなんて










この時は知る由もなかった。










サンコイチ。










そう言っていられる時間が限られていることに










この時は全く気づいてなかった。










この時でさえきっとあなたは1人











俺たちを思ってたんでしょ?












その優しさに気づいてあげられなくて












ごめんね………

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