第3話

prologue(RapMonster)
414
2021/03/15 00:07
初めて会った日を覚えてる?







初めて君を見たのはいつだったか



パンPDから君を紹介された時ひどく驚いた



まだ小さい体。



日に当たってるのか分からないくらい白い肌



パーカーから覗く綺麗な目




すごく中性的な顔立ちの君。




口数は少ないけれど




ちゃんと相手の目を見て話ができるし




相手の事も理解し、自分のものにする能力に長けている



そしてすごく吸収が早い。



ラップは初めてだと言った君



メキメキとその腕を上げ



自分が無理なく音を刻める呼吸方法を



自ら気づいて実践していた。




自己観察力も高い。




恐らく洞察力や思考力、探究心




その他諸々が高いんだろう。




そしてあの歌唱力とダンスセンス。




ダンスが苦手な俺にいつも付き合ってくれた




俺もラップを教えたりするからわかるけど




自分がなんの苦労もせずにできてしまった事を




できないやつに手とり足とり教えるのって




正直骨が折れるし、大変だ




それでもいつも根気よく教えてくれて




出来るまで付き合ってくれた。




一度なぜそこまでしてくれるのか聞いたことがある。




自分は俺のラップセンスをリスペクトしてると



出来る事なら一緒にデビューしたい。



その為ならいくらでも教えます。



そのかわりラップ教えて下さいね。




そう言って初めて笑った。




多分あの時君の笑った顔を見たことのは俺だけだと思う



それぐらい笑わないし



あまり喋らない子だった。




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