あの日のことは鮮明に覚えている。
MMAの授賞式でのパフォーマンス。
ちょうど曲が始まった頃。
あなたが少し顔を顰めていた
なんだろ?その時はそう思ったけど
曲が始まりジミナが出だし歌い始めれば
俺たちもそれに合わせて踊るしかない
あなたを気にしつつもパフォーマンスをこなしていく
そして感じた違和感。
いつも完璧なあなたがほんとごく僅かテンポがにズレていた
多分ARMY達は気付いてない。
歌も少しだけ音程がいつもと違った。
いつも一緒だからこそ気づく俺たちの特権
よく見ると外しているイヤモニ。
不思議に思いながら無事三曲終わり
照明が暗転した際少しフラついたあなた
たしかにハードなダンスナンバー
他のメンバーも肩で息をしていた。
いつもあまり呼吸を乱さないあなた
また感じた違和感。
そう言いながらも少し辛そうなあなたを気にかけつつ
進む廊下
もう少しで控室というところだった
–––––––––––––バタンッ
物音とジニヒョンの声に驚いて振り返った
壁に手をついて倒れ込むあなたの姿
慌ててみんなで駆け寄ったけれど
スローモーションのように倒れたあなた
今までどんな過密スケジュールでも倒れなかったあなた
そんなあなたの体が悲鳴をあげ始めた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。