第148話

Ep.134
163
2021/04/24 01:00







そうあの日から日に日に濃くなっていったあなたの気配







俺はそれが嬉しかった。










リビングでご飯食べている時に聞こえる足跡…









みんなでテレビに夢中だと拗ねるのか消されるし








開いていないけど響くあなたの部屋の扉が閉まる音








階段を降りてくる音









バラバラだった俺たちも少しずつ戻り始めた








でもまだここに寄り付かない二人…










ユンギヒョンとテヒョンア…










今日もほらジニヒョンの作るご飯の匂いにつられたのか







階段から見えない足音……
ホソク
ホソク
フフフ…空腹らしいね……
ジョングク
ジョングク
いくら太らないとは言え食い意地はりすぎw
ソクジン
ソクジン
もうすぐ出来るからもう少し待ちなさいって…
ナムジュン
ナムジュン
ハハハ……
そっとその場を離れて自室に戻ると取り出した携帯








しばらく見ぬふりして避けていた親友の番号をダイヤルした









呼び出し音だけが響く







出る気配のないその番号……







切ってはかけるを繰り返し








何度目かのコール音のあと久しぶりに聞いた親友の声…
テヒョン
テヒョン
📱…何??
ジミン
ジミン
📱…やっと出た。
テヒョン
テヒョン
📱…急ぎの用事…?((テヒョンア?だれー?
テヒョン
テヒョン
📱…あージミナ……
テヒョン
テヒョン
📱…で?何?
ジミン
ジミン
📱…女の子といるの?今日も帰ってこないつもり?
テヒョン
テヒョン
📱…だったら?
ジミン
ジミン
📱…帰ってきてよ
テヒョン
テヒョン
📱…なんで?
ジミン
ジミン
📱…いるんだ…
テヒョン
テヒョン
📱…は?いるって?((ねぇ。テヒョンア早く行こうよ))ちょっと待って。
ジミン
ジミン
📱…あなたがいるの…
テヒョン
テヒョン
📱…は?ついに頭おかしくなったの?
テヒョン
テヒョン
📱…あなたは死んだ。納骨も済ませた。それはお前も知ってるだろ?冗談も休み休み言ってくれる?
テヒョン
テヒョン
📱…もういい?待たせてるから切るぞ
ジミン
ジミン
📱…待って!!!!本当にいるんだよッ!
ジミン
ジミン
📱…足跡が聞こえたり…ドアの音が聞こえたり。この間から不思議な事が宿舎で起きてる
ジミン
ジミン
📱…みんなあなただって言ってる。一度帰ってきてよ。きっとテヒョンアがいない事心配してると思う。
テヒョン
テヒョン
📱…はぁ・・・。話ってそれだけ?俺そういうオカルトに興味ないから。
テヒョン
テヒョン
📱…・・・ブチッ…ツーツーツー…
ジミン
ジミン
📱…ちょっ!テヒョンア?テヒョンア!



切れた携帯からは無機質な通話終了の通知音






ただ呆然とそれを聞いた
ジミン
ジミン
本当なんだよ…あなたが…
ジミン
ジミン
あなたが帰ってきてる………んだよッ!ウゥゥ…ック…







もう親友には届かないのか…







その日俺はこの上ないほどに絶望感に苛まれた








プリ小説オーディオドラマ