第28話

Ep.15
259
2021/03/21 02:47
デビュー当時のわたしを知ってる人は






今のわたしをどう思うだろうか。







出来るだけ女という事を消していた。







あのパーカーにハーフパンツ







そしてマスク姿の私。







傍目に見れば少年に見えなくもない私。







あの姿は兄そっくりだった。







実家でも兄の身代わり







此処でも無意識に







兄の代わりにって思っていたのかもしれない。







アイドルになるって兄の夢でもあったから







兄の代わりにその夢を叶えたいと思っていたのは事実だし








それに自分を出すのが苦手というか






本当の自分が何なのかもよくわかってなかった。







それにグループ名も『防弾少年団』








名前からしてナムジャグループじゃんって。







女の私がいたらダメな気がしたというのも然り






でも誰かの代わりじゃダメなんだって






ちゃんと防弾少年団のあなたとして







此処にいなきゃいけないんだって







教えてくれた人たちがいたんだ。





あの時アレがなければ





今も私は兄の亡霊に取り憑かれていたと思う。




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