大盛況で終わった福岡公演。
アンコールも終わり舞台裏
心地よい疲労感と高揚感。
そんな中飛び込んだ悲痛な叫び。
後ろを振り向けばグッタリとして横たわるあなた
ユリヌナやマネヒョンが揺り動かしても
微動だなりしないその姿に恐怖を覚えた。
慌ててあなたの名前を呼びかけるが
反応しないあなた。
一気に血の気が引いた。
俺はリーダーなのにあなたの異変に気づけなかった
そういうと俺たちの間をかき分けて入ってきたジニヒョン。
手際良くあなたを抱き上げ足早に向かう控室。
ソファーに寝かされてもグッタリとしているあなた
青白い顔。
何も出来ずに立ちすくむ俺。
すごく情けなくて
こういう時やっぱりジニヒョンは頼りになった。
そこにあったバスタオルを丸めて足の下に入れ
少し足を心臓より高い位置に上げた。
テキパキと動く弟達。
少しずつ戻っていく顔色。
それをみて安堵した。
そう力なく笑ったあなた
男ばかりの中に女一人
もしかしたら今までも無理してたのかもしれない。
あなたは倒れたこともないし
息が上がることもない。
大丈夫だって過信しすぎてたのかもしれない
そんなことにも気づかないなんてリーダー失格だ…
日本での仕事のスケジュールをあなただけキャンセルして
翌日の朝の便で一人帰国した。
一人欠けた俺たち
あの日痛感した。
8人だからやってこれたんだ
一人でも欠けたら俺たちは機能しない
お前が俺たちには必要なんだよ。
なぁ・・・あなた。
会いたいよ……
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。