第8話

prologue(JIMIN)
370
2021/03/15 00:09
初めて会った日を覚えてる?












最後に練習生として入ったのは僕。






現代舞踊には自信があった





でも僕たちが目指していたのはHipHop






全く違うジャンルに戸惑った






何度も事務所を追い出されそうになった






その度に言われる






お前はもっと輝ける場所がある。






それはここじゃない。







釜山から反対を押し切って上京して







もう戻る場所がない僕。








必死に踊るしかなかった






HipHopを体に叩き込むしかなかった。








僕が苦労していることを難なくこなく君が








すごく羨ましかった。








僕よりも小さい体で






僕よりもダイナミックに踊る君










一人黙々と練習する僕に









がむしゃらにやればいいってものでもないよ










そう言って心配してくれたのに










何がわかるってキツく当たったこともあった










その度に君はいうんだ。








わかるわけないだろ。お前じゃないんだからって










でもどんなに頑張ってもうまくいかなくて





1人取り残されて焦ってでもダメで






その時の苦しい気持ちはわかるよ








お前は頑張りすぎなんだよ。








お前のその現代舞踊で得たしなやかで柔らかい動き








好きだよ。








自分には絶対できないから。










俺の踊りを好きだと言ってくれた。






それからは毎回練習室には君がいて







厳しいダメ出しもされたけど







一緒に踊る楽しさを教えてくれた。







何回も追い出されそうになって








8回目の時。







君が言ったんだ。











輝ける場所がないなら輝ける場所を自分が作る






ジミンは大切な仲間だから






ジミンが出て行くなら自分も出て行く










その言葉だけで救われた。






知ってたんだよ。







君がデビューしない理由。





君は正直ソロでもやっていける






でも君は言ったんだ






この7人と一緒じゃないと意味がないって





だから僕は頑張ったよ





一緒に笑えるように。





テヒョンアと僕と君とみんなに認められる




クサズになって





笑い合えるこの日が宝物なんだ。





今もまだ君には追いつけないけど





ずっと追いかける存在でいてくれてありがとう。







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