体育館に入ると、ドアが閉まり鍵がかけられた音がした。
中には最初よりも遥かに少ない人数しかいない。
そして、体育館は最初と違ってアスレチックのように様々な障害物…と言うより、絶対に血が流れそうな道具が並べなれていた。
結弦の声がして、学生達の視線がステージへと注がれた。
端末を操作すると、モニターにルールが映される。
『障害物競走』
8人で協力して、ゴールを目指してください。
【ルール】
・1人1区間以上走ってください。
・障害物に手間取ったらチームの人にサポートしてもらうのはありです。(例外有)
・サポートした人が自分の区間を走る前に死亡した場合、また、走っている途中で死亡した場合は代走者を立ててください。
【注意事項】
・全員じゃなくてもいいので、必ず1人以上生存でゴールしてください。
・1位のチームはゴール時点の生存者が生き残ることが出来ます。(最高8人)
・1位のチームに死亡者がいた場合には区間賞として、早かった順に生存者を決めます。
【各区間の障害】
第1区間→熱
第2区間→運
第3区間→柔軟性
第4区間→水
第5区間→電気
第6区間→学力
第7区間→力、技術
第8区間→動物
モニターで10分のカウントダウンが開始される。
さっきまで同じ教室にいた7人と顔を合わせる。
さっき言われた言葉を思い出すと、しっかりと挨拶することが出来ず、小さい声で挨拶する。
私の発言に新しい4人が微かに反応する。
どうせ、さっきまで人殺しだった私は最後に選べとでもいいたいのかな?
そんなの気にしないからいいけど。
巫の質問に誰も発言しないので私が第2区間を走ることに決定した。
すると、モニターを見た氷室さんが…
真顔で淡々と告げる響にみんなが驚く。
でも、男子は何も言わないからそのまま決定。
残るは、熱、電気、学力、柔軟性。
低いよりはマシかな…
聖さんが電気、東雲君が熱で決定。
カウントダウンは残り5分と半分はあった。
あ、入力するまでだっけ…
私はそう告げると、7人の元を離れて端末に入力をしに行ったのだった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!