確かこの2人は見るからに正義感が滲み出ている方が煮雪徹弥君で無言で私達の見定めをしているように見える方は梵綾翔君。
夢奈ちゃんが拗ねたように口を尖らせると、シェルターの真横にある大きな木に向かって、「そこに誰かいらっしゃいますよね?良ければ降りてきて下さいまし。」と言う。
すると、「あーあ」と言う声と共に澪織が鉄のシェルターの上に着地した。
前のゲームで海凪と一緒に来た一青さんが鉄のシェルターから出てくると同時に鉄のシェルターが変形して、澪織を串刺しにしようとする。
それに気づいた澪織は飛び上がり、近くの木に飛び移った。
鉄のシェルターが完全に消えると、中にいた他の3人も出てくる。
私達は4人と死体が3人、相手は6人、そして蓮水のとこの澪織が1人。
澪織が響の言葉に返して、その内容に私が不思議に思った瞬間、一青さんのチームの内の1人が体を仰け反らせてその場に倒れた。
頭の眉間には見事に赤い穴が空いて、誰かに銃弾か何かを打ち込まれたことが分かる。
一青さんのチームがいきなりの仲間の死に慌て始めたとき、1番冷静だったのは一青さんと梵君。
夢奈ちゃんの質問に独り言を呟きながら颯爽と森に入って行ったのを見ていた梵君が何かに指示を出していた。
すると、響が「今は引くべきだ。」と言って私の腕を引いて小走りでその場から去る。
海凪と夢奈ちゃんもついてきてくれた。
…が、私の作戦は蓮水からの刺客のせいで見事に邪魔されて失敗に終わった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!