ー 4時間経過 ー
《処刑結果》
♦Aを含む4名死亡
♥6名死亡
♣6名死亡
♠7名死亡
《その他》
♦6、♠8…自害
♦K…あばら骨1本にヒビ
♣J…大量の瓦礫の下敷き、安否不明
♣Q…後頭部から多量出血(応急処置済み)
♠K…大量の瓦礫の下敷き、安否不明
《生存者》
♦K、Q、Jを含む9名
♥K、Q、J、Aを含む8名
♣K、Q、J、Aを含む8名
♠K、Q、J、Aを含む6名
スマホを受け取り耳に当てると微かだけど誰かが呼吸している音は聞こえた。
もしこれが澪織ちゃんなら声が出せる状態に無いって可能性も有り得る。
取り敢えずは安全なのかどうかを確かめるためにみんなにもちゃんと聞こえるようにスピーカーにして僕はスマホに話しかけた。
コン…
コンコン…
コンコン…
コン…
コン…
コーンコーン…コンコン…コンコーンコーン…コンコーン……コーンコーン…コンコン…コンコーンコーン…コンコーン…
一定のリズムで画面の叩く音が繰り返される。
何かを伝えようとしているのは分かるけど、僕には全く分からない。澪織ちゃんのことだから誰かしら伝わる人がいると思ってやってるはず…
コン…
コンコン…
ココン…
コン…
ある程度の確認が終わり、僕が電話を切って海凪ちゃんに返すと同時にみんなが集まっていた部屋の扉を開けて入ってきたのは進行役である胡蝶結弦君だった…。
確かに間違ってはないけど、腑に落ちない…
それは蓮水の表情からも同じことが読み取れた。
いくらこれが団体戦でKに全ての命がかかっているとはいえあそこで神々を落とすのが正解かどうかと言われたら普通はNOだ。
無駄に命を落とさせる必要はないのだから。
私達と杜若君の意見が分かれていることから不穏な空気が流れていると、突然「やっほ〜!」という元気な声と共に珠璃が乱入して来た。
まぁ、あの傷があれば無理もないのかな…
私なんかを庇ったせいで今に響くまでの傷だとしたら本当になんて謝ったらいいんだろう…
部屋にあったテレビの前に珠璃が立つと、手に持っていた端末をポケットからコードを取り出しテレビに接続した。
テレビ画面に端末と同じものが映し出されて、破壊されたビルの上空に移動すると、ズームアップされて瓦礫の山が映る。
上からと横から映したものに変わると、瓦礫の山が透けて倒れている2人の姿が映った。
それを見るなり杜若君が「そう簡単には無理か…」と小さく呟く。
全員に一応被害者だと説明した珠璃。
みんな納得したようなしてないようなそんな曖昧な表情を浮かべている。
それを見ていた珠璃は何も質問が無いと判断して入って来たときの扉のドアノブに手をかけた。
そう謎の伝言を残すと、珠璃は出て行った。
残された私達は考える時間を惜しみ、私はダイヤのJである巫に声をかけ次の作戦を立てることに。
杜若君は何か考え事を始め、蓮水は何故かずっと瓦礫の山の下敷きになっている神々と澪織をテレビで眺め続けていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。