第135話

ep 135
1,482
2024/04/13 12:00





迎えたクリスマス当日。




俺はいつもの駅前のベンチで
あなたの下の名前ちゃんを待っている。




元貴
元貴
...さむっ。


ライブに向けて気が張っていたり
スタジオにこもることが多かったせいか


冬らしさをゆっくり感じることもなく





気がつけば年末...そんな感じだ。







この12月特有の...クリスマスムードの世の中を

少し肌で感じたくて、


待ち合わせよりもだいぶ早く来た。









道行く人を見ていると

それぞれの家庭があって人生があって...なんて




今まで考えもしなかったことが浮かんでくる。







人と出会って...その人生はどう変わるのかな。






俺はあなたの下の名前ちゃんと出会って、



...どう変わったかな。





あなた
大森くん♡
元貴
元貴
え...早かったね?
あなた
大森くんこそ!笑
あなた
駅前のクリスマスムード感じようと
ちょっと早めに来たのにっ。
元貴
元貴
あはは、俺も同じ考え。笑
元貴
元貴
ちょっと浸ってみようと思って。
あなた
どう?浸れた?
元貴
元貴
ん...懐かしいな、って。
元貴
元貴
たった1年前なのに、
もうずいぶんと経った感じ...。
あなた
お昼の2時間だけの
短いデートだったよね...♡
元貴
元貴
そうそう。
大寒波って散々ニュースになってたのに
あの日すげー暖かくてさ。
あなた
よく覚えてるね?
元貴
元貴
全然クリスマスっぽくねぇなぁって
思ったことが印象的でさ。
すげー覚えてる。
元貴
元貴
来年こそはちゃんとクリスマスを
感じたいと思ったんだよね...。
あなた
...その来年が今日だね?
元貴
元貴
そうだね...
元貴
元貴
行こっか。
あなた
え...どこに?
元貴
元貴
...ショッピング?
あなた
なんか欲しいものあるの?
元貴
元貴
あなたの下の名前ちゃんのね。
あなた
......?
元貴
元貴
行こ?



戸惑うあなたの下の名前ちゃんの手を引いて、


向かう先は......。














一 遡ること1週間前 一





元貴
元貴
......



クリスマスデートを来週に控えた俺は


Mrs. GREEN APPLEのインスタのアカウントと

睨めっこしていた。





4桁を超えたフォロワーの中から見つけた

あるひとつのアカウント。







元貴
元貴
これって...千花ちゃんだよなぁ...?


以前、あなたの下の名前ちゃんが千花ちゃんとLINEしていた時に
見えたアイコンと同じだし...



俺は意を決してメッセージを送った。



元貴
大森です
元貴
西高の千花ちゃんのアカウントで
合ってますか?



元貴
元貴
......



ピコンッ



元貴
西高の千花ちゃんのアカウントで
合ってますか?
千花
大森くん!?どうしたの!?
元貴
よかった
元貴
ちょっと相談したいことがあって
元貴
あなたの下の名前ちゃんには内緒にしてて
ほしいんだけど
千花
...え、クリスマスプレゼント?
元貴
...なんで分かんの?
千花
この時期だし?
千花
あなたの下の名前の欲しがってるもの
知らないか...でしょ?笑
元貴
まぁ...そんな感じ、です
千花
お揃いのアクセサリーが欲しいなぁって
ぼそっと言ってたよ?
元貴
アクセサリーかぁ
千花
まぁ女子の憧れだよねー!
彼氏からアクセサリー貰うなんて!
しかもクリスマスに!
元貴
分かった、ありがとう
千花
ってかミセスのアカウントって
あなたの下の名前が管理してるんでしょ?
私あなたの下の名前に教えてもらったんだもん
元貴
俺もログインできるよ
元貴
これ俺のスマホから送ってる
千花
あなたの下の名前のスマホからDM見られないうちに
消しなよ!?
今はバイト中で見ないだろうから
元貴
あ、そっか、ありがとう







一一一・・・






あなた
ねぇ、どこ行くの?
元貴
元貴
......
元貴
元貴
俺さ、あなたの下の名前ちゃんと
お揃いのものが欲しいんだよね。
あなた
...お揃い?
あなた
......分かった!毛布だ!
あなた
毛布買いに行くんだね!?
あなた
1ヶ月ごとに交換する毛布♡
あなた
持って帰るの大変だから
毛布じゃなくてひざ掛けにしよ?笑
元貴
元貴
え...っ、
元貴
元貴
あ...うん、笑



それも欲しいと考えていたけど

荷物になるから
最後にって思ってたんだよな...




元貴
元貴
それは後でいいからさ。
あなた
......?



一一一・・・







あなたの下の名前ちゃんの手を引いて歩き、


アクセサリー屋さんの前についた。




高校生には少し入りにくい...

だけど、若い人に人気だっていうお店。




ネットでいろいろ調べて、

ここはあなたの下の名前ちゃんの好きそうな
シンプルなデザインが多くて。

ここに連れてこようと思っていた。



元貴
元貴
一緒に選ぼ?
あなた
...えっ!?
あなた
え...うそ、ほんとに?///
元貴
元貴
サプライズで渡せたらかっこいいのは
分かってるんだけど...
元貴
元貴
気に入るものを選んでほしいし
一緒に選んだ思い出も欲しくて...さ。///
あなた
......
あなた
高そうだよ...?
元貴
元貴
そんな心配しなくていいよ。笑
元貴
元貴
こないだのライブの前に
大量にプレスしたCDが
たくさん売れてくれたから。笑
元貴
元貴
好きなの選んで?






そう言って、俺は
戸惑い気味のあなたの下の名前ちゃんの手を引いて店に入った。




あなた
わぁ......!かわいい...!!



キラキラした目でショーケースを覗き込むのを

後ろから見守っていると、



ふいにあなたの下の名前ちゃんが振り返った。



あなた
ねぇ、こんなにあると迷っちゃう。



困ったような、でも嬉しそうな、

はにかんだような顔がめちゃくちゃ可愛くて




もうこの一瞬で

クリスマスデートの醍醐味を感じるほどだった。






元貴
元貴
まず、カテゴリーを絞れば?笑

元貴
元貴
ネックレスとか?
あ、ブレスレットもあるよ?
元貴
元貴
どれがいい?
あなた
......
あなた
うーん......
元貴
元貴
そんな悩む?笑
あなた
......
あなた
お揃い...。
ペアでいいんだよね?
元貴
元貴
うん。
あなた
......
元貴
元貴
なに?どした...?
あなた
......びわ、
元貴
元貴
え?なに?




あなた
...指輪。



あなた
指輪が...ほしい。///












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