第10話

目を落とした先で、 4― 渉viewp
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2018/12/28 09:00


今回は渉視点です



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――そらの体重が、何故か俺のほうにかかっている。





しかもなんか、顔赤い気がするんだけど......。

気のせい、なのか......?






そら......相手が誰なのかちゃんと分かってんのかな。

あくまでも、"いとこ"だけど?



まさか、誰かと勘違いしてるとか。






いや、ないか。



そういうの、鈍いしな、こいつ。





それに、俺以外にまともに話せる奴なんていたっけ。





小学生の頃の奴らはまず違うし......。



塾......あ、個別じゃん。

それに今は中高一貫の女子校だったよな......。





うん、やっぱいないな。







とりあえず勘違い説はない、として。













......この状況は、マズくないか?



受付の看護師、なんか微笑ましそ〜うにこっち見てるし......。


森崎 渉
......あの、そら



声をかけた相手であるそらはと言うと。






......おい、俯いたままフリーズするな。


さっきからずっとこんな感じだ。




彼女のことだし、多分考え事でもしてるんだろうけど。

でもさ、今しなくていいと思うんだよな......。




それにしても、なんか見てる看護師増えてない?










なんか、嫌だな......。






そらはおそらく状況とか何も分かってないと思うけど。



まったく......。



森崎 渉
......そら、カウンセリング、あったよね?
遅れたり、しないの......?
相川 そら
......うん......そう、だよね
森崎 渉
ならはやく行かないと......



はあ......。









......可愛い。






腕にその赤くなった顔をうずめないでくれ......。














............ってここまでくると、さすがに展開についていけない
方がいらっしゃると思うので、説明します。










俺......渉、とそらは戸籍上のみいとこという関係。


本当はいとこじゃないけど。



それは後で詳しく説明できると思います。


そして、それを知っているのは俺と......



そらの姉であるせら、


そして両方の親。




だから、そらは俺と血が繋がってないことを知らない。






そして、俺がそらを好きになってもおかしくないというわけ。



逆にそらが俺を好きになるパターンもあるけどしれないけど。

いや、ないか。




多分そらも――。






まあそれはいいとして......俺は結局のところ、
彼女に恋をしている。


なので、個人的に色々考えてしまうんです。



可愛い、とか......そういう、ことを。






というわけで、俺は別に変態とかじゃないので。


義母的な存在である柚香ゆずかさんが、俺とそらを一緒に行かせた
のは多分、護衛的な意味であってる。



......俺の気持ちには、気づいてない。











と、そう思いたい。


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