第21話

"□□ □□"について
25
2019/01/18 10:00


あの子が本当の関係を教えてくれてから約1週間。

私はあなたと会った。

あなたは、自分が本当のいとこだと、そう言った。

......よく見ると、その顔はおばとおじによく似ていた。

その時の私にとって、それはあの子が"友達"だと知るには

十分な証拠だった。








そして、私の妹には関係を知らせないまま、

私と妹とあの子とあなたの4人で遊んだ。

とてもとても楽しかった。

あなたも、あの子のように"友達"として接してくれたから。

こちらとしてもすごく楽で嬉しかった。















妹にはバレてなかったみたいで、私がここにくることになった
ときも、全然気づいてなかった。

















――"なつかしい"なあ。






あなたは演技が得意だもんね。

私もはじめはのまれてたよ、その演技に。

あの子もそうだったのかな......?

それはわかんないけど。

......そういえば、あの子も得意だったなあ、演技。

意外だよね、なんていうと"おこられ"ちゃうけど。







あの子は本当に"やさしい"。

妹のことを考えて、今でも演技を続けてくれてるみたいだね。




......あなたが教えてくれたんだよ?

そんな"おどろいた"顔、しないでよ。

また"さみしく"なるでしょ?

私も、あなたも。

このことを知っているのは、私とあなただけ、だよね。

あの子も妹も、知らないんだよね。




......そうだよね、ごめん。

もし知っていたらって思うと......"こわい"んだ。

あなたはまた、壊れてしまうでしょ?





また"おどろいた"顔して。

どうしたの?







え、なんで覚えてるのか?































......なんででしょう。














私も、分からないんだよねえ......。



名前は分からないのに、顔や性格、思い出は残ってる。




"かなしい"よね。





もう一度呼んでくれって、誰かに言われそう。

......それはないか。





ま、とにかく。


何か分かったら教えてね?

教えなかったら、言いつけるよ?




......誰にって?


ええと............だ、誰でもいいでしょ!






































































......さ、今日は終わりだよ。

あの人が帰ってきちゃう。

ね?







......ねえ。






いつもそうやって名残惜しそうにするの、やめてよ。



"ない"ちゃいそうになるじゃん......"なけ"ないのに。



もう"なき"方も分からないのに、こんなものを抱くなんて、


こんな呼び方も分からないものを抱くなんて、もう、


"いや"なんだよ......。








だから、ね?















































また、今度ね


おやすみ、□□□


































「......ああ、おやすみ、せら」




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