第7話

目を落とした先で、 1
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2018/12/24 10:36
あれから、そのまま病院へと着いた。

......着いてしまったという方が正しいかも。


私は診察券を受付の看護師に渡し、
手続きを進めているところ。

そういえば診察券を持っていないのではと私が疑っていた
渉は、ネットで先に手続きを済ませていたらしい。

......おばさん、どうせなら私もそうしておいて欲しかった。


そして慌ただしく作業しているこの看護師の方は多分新人。

夜間ということもあり、人は少ないので急ぐ必要などは
特にないけど、できればはやく帰りたい。

なのでもう少しはやくして頂きたいなあ。


......とか思っているうちに手続きが済んでいた。

看護師
し、診察室はこちらに表記されている部屋ですっ。このまま右手の方にお進みください


......手渡された紙には、『01-02』と表記されている。

その下には、『担当医 川嶋』。

川嶋先生、か。

相川 そら
はい。ありがとうございます


そう言って頭を軽くさげると、看護師はほっとしたような息をついた。



すぐに診察室に向かうことを伝えようと、渉の姿を探す。



――いた。


階段近くの椅子に座っている。
相川 そら


......少し離れたとこから声をかけてみたが、反応がない。

聞こえてないのかな......?


......でもあんま動きたくないしなあ。

ちょっとだけ寄れば聞こえるかな。
相川 そら
わーたーる


近づいてみたけど......また無反応。

まさか、寝てるとか?


いやいやいや、さすがにないでしょ。


電車であんなに寝てたのに。


相川 そら
......渉?




......。






......さっき考えてたこととかを、フラグって言うんだろうな。




うん。

皆さんお気づきのとおり。




寝てました。



ほんとに迷子にさせてやろうか。



......どれだけ寝たらいいんだろうね。

電車だけでも多分1時間半近く寝てたよ?



多分こいつの事だから超健康的な生活を送ってきたから
普段は寝てる時間なんだろうけど。




それでも数分で眠りに落ちるものなのかなー?






渉くーん?


森崎 渉
......んん



......気持ちよさそうに寝やがって。

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