第20話

触れられなかったんだ 6-渉viewp
27
2019/01/16 09:36



『"本当に"?......笑わせる』






......またお前か。



お前は関係ないだろ。






『バカ言え、関係おおありだろうが』





『それで?お前はまたああなるんじゃないかと不安なわけだ』





『本当は』






......うるさい。






『ほら、ちゃんと分かってるんだろ?』





『また。"大好きな人に忘れられて"』





『"会う度に、はじめましてってそう言われる"』





『そんな日々を送るんだってことを』






......。






『"2回目だから大丈夫だ"』




『は?何言ってんだよ。現実受け止めろ』




『お前のメンタルはいつからそんなに強い?』




『これ以上、医者の世話になるな』





......黙れ。





『これ以上、あいつに心配させるな』




黙れ、黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!




『これ以上、あいつを壊すな』




黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!





『相変わらず、だな』




『............』
















......。









やっと静かになったか。










本当、耳障りなやつだ。













))次は、○○駅、○○駅です。△△線をご利用の方は......。






......ああ、もうそんなところまで来てたのか。



そらを起こさないと。
森崎 渉
そら、起きて
相川 そら
......ぅん?
森崎 渉
もうすぐ僕らが降りる駅だから、ね?
相川 そら
......ん......りょうかい......


そう言って目を擦りながら体を起こすそら。


あいつと違って、耳に心地いい声だし、仕草が可愛い。



......自分が気持ち悪いとは思ってるけど、別に誰に言うわけ
でもないんだし......いいよね。









俺はそらが好きすぎるだけ。




......ヤンデレになりそうで笑えるけど。









『......お前はそういうやつだ』



『絶対傷つくだろ』





つくづくうるさいやつだ。


いい加減引っ込んでろ......!










相川 そら
......ふぅー、良かったー、渉起こしてくれたー
森崎 渉
ええ、起こすよ〜?
......というかなんで棒読みみたいになってるの
相川 そら
起こしてくれなかったら柚香さんに言う
予定だったんだよね
森崎 渉
え、そ、それはやめて......?
相川 そら
ふふ。......あ、さっさと降りよ
森崎 渉
うん
相川 そら
で、家帰ったら......とりあえず、寝る!
森崎 渉
また寝るの〜?
寝るの好きだなあ
相川 そら
そう言う渉もでしょ!
森崎 渉
......まあね?
相川 そら
ほら〜


......楽しそう、そら。
















まだ、俺を忘れてないんだな。






それなら、今は......。
















何も言わないままで、いよう。


































『......そうやって、せらの時も何もできなかったくせに』




......お前は、必要ない。


さっさと消えてくれ。


出てくるな、これ以上邪魔をするな。















......俺とそらは、家路についた。

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