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第3話

第一印象
321
2019/02/05 13:05
私の名前は朝霧 夢乃。
小さい頃から大人しく、あまり人と関わらないせいか、人見知りで上手く話せない性格。
そんな私は、学級委員になれば、この性格も
治せるんじゃないかって思って、毎年
自分から進んで学級委員に立候補している。




ある日、高校一年生の春が来て、
私は毎年のように学級委員に立候補した。
男子の学級委員は、なかなか決まらず
誰になるんだろうか。とソワソワしていると
一人の男子が手を挙げた。
その人はとても明るく、ムードメーカーな
キャラで、正直以外だなって思っていたら· · ·
「せんせーい!俺、如月がいいと思いまーす!」
と言った。
如月くんって人は男の子の発言に
?を浮かべて、近くの女子に何か聞いていた。
女子は笑いながら如月くんを指さすと、
如月くんは驚き、面倒くさそうな表情をして
仕方なく、学級委員を受け入れた様子だった。
休み時間になると、
如月くんはなにやら、言い出しっぺの
男の子の元へ言って文句を言っていた。
みんな、普通はこんなめんどくさい仕事
やりたくないはずだ。
如月くんもきっとその中の一人。
だから、私が如月くんに負担をなるべく
かけないように、ほとんどの仕事を済ませようと
誓った。
そんな時、先生から呼び出されて、
「如月にこの資料に間違いがないか
確認させておいてくれ。」と頼まれ、
渋々如月くんの元に行き資料を渡した。
きっと、めんどくさいという表情で
「わかった。」か、
「朝霧さんがやってよー。」
と、言われると思っていた。
けど、如月くんは微笑みながら仕事を受け入れてくれた。
こんなことは初めてで、
少し戸惑い、如月くんから素早く去った。
· · ·
放課後、私は如月くんが仕事を終えたのを
確認すると、ほうきがいくつか壊れていたのに
気が付き、直そうと思い、ほうきを手にした。
ガムテープで巻こうとしたが、
うまく巻けずに、20分ほど近く
ほうきとにらめっこをしていたら、
如月くんが驚いた表情で入ってきた。
如月くんは、私が直すのに苦戦しているのに
気がついたのか、面白そうに笑いながら
「手伝うよ。」と言ってほうきを手にした。
こんなに、手伝ってくれるペアなんて
いなくて、驚いたが「これが普通。」
という如月くんの言葉に戸惑いながら
これが普通なんだ。と自分で納得することにした。
如月くんは、すごく優しい人で
当たり前のことをこなしてくれて
好きで学級委員になった私と違い、
渋々学級委員になった如月くんは、
学級委員として、頑張ろうとしていた。
如月くんは、いい人なんだって· · ·
これが私の如月への第一印象だった。

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