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第1話

学級委員
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2019/02/04 15:21
「んじゃ、学級委員決めるぞー。」
なにもやることがなく、ボーッと窓を眺めてると
担任が教室に入ってそう言った。
正直、俺には学級委員とか、
推薦されるキャラじゃねぇし
どうでもいい事だと思って頬杖をついて
ただただ、ボーッと生徒達の話し声を聞いていた。
「私やります。」
それほど目立たない女の子は
ピシッと手を挙げて、自ら学級委員に立候補した。
「そうかそうか。女子は朝霧だけかー?
いないみたいだし、朝霧· · ·頼むな!
次は男子ー、いないかー?」
担任がそう聞いても、自ら立候補する奴は
予想どうりいなく、シーンと知らんぷりを
するどけだった。もちろん、その男子の中に
俺も混ざってる。
「せんせーい!俺、如月がいいと思いまーす!」
俺の友達の山下 奏太は、手を挙げて、そう言った。
「なぁ、俺の他に如月って苗字いたっけ?」
近くの女子に聞くと、俺しかいないと笑いながら言った。
どーせ、俺に立候補しても無駄無駄。なんて
思っていると、クラスの殆どは賛成をして
結局、俺は学級委員になることになった。
休み時間· · ·
俺は山下の元に行き、文句を言うと、
さっそく朝霧っていう女の子は、
仕事を黙々とやっているのに気づいた。
「朝霧· · ·さん?だよね。俺も学級委員だし
手伝うよ。」
めんどくさくて、やりたくねぇけど
さすがに1人でやらせるなんて出来ないし。
俺が朝霧さんに声をかけると
朝霧さんは顔を赤く染めながら頷くだけだった。
自ら学級委員に立候補する朝霧さんには
正直、(よくめんどくせぇ事を進んでやるなー)
なんて、思っていたけど
この子にとっては、大したことじゃないんだろうなって感じるようになった。
このクラスに馴染めないから、
居場所はこの学級委員という役割だけ。
この役割がなかったら、ただただ、大人しく
してるか、本を読んでるか。くらいしか
選択肢はないんだと思う。
これは俺の勝手な想像だけど。
だからかな?
この子と関わってやんねぇとって思ってしまう。
これから、この子のサポート役として
遊びは我慢しようって思った。

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