相澤side
あいつ、、、
マジで5000回やろうとか思ってんのか?
流石に5000は無理だろ、、
冗談は半分で言ったつもりだったんだがな、あいつはマジでやろうとしてる、、
これを素直って言うのか?それともただの馬鹿か、、、?
いや、そんなのどうでも良い。
ただ分かることは、あいつが努力熱心ってことだ。
無個性は辛い。
この世界は総人口約8割が個性持ちだ。
そんなかでの無個性は、今まで辛い経験をしてきたのかもしれねぇ。
だが、あいつは努力をして来た。
もし個性を使わずに戦闘訓練でもしたら、あいつは上位だろう。
個性ありだとどうしても無個性のやつは不利になっちまって、今は大体クラスで中の中。
良くて中の上だが、、、
そんで、あいつには謎も多い。
無個性だから努力して来たんじゃなくて、本能がやろうとしていたからやっているらしい。
側から見れば普通に努力してるやつに見えるから良いんだが、、、、
何か、引っかかる。
零:疲れた、、、
麗日:零ちゃんは、何してたん?
零:刀の打ち込み稽古だよ。先生に5000回って言われたの。
響香:ご、5000回?!
麗日:手ぇ大丈夫なん?!
零:もうヤバいよ、、でも、なんか気持ちいいなぁ、、
麗日:達成感やない?!
響香:そうだよ、5000回もやったらそりゃぁ達成感くらいあるっしょ。
焦凍:なんだ、夕凪打ち込み稽古でもしてたのか?
零:えっ、、そ、そうなの、、
麗日:零ちゃんすごいんやよ?!5000回もしてたんやって!!
焦凍:スゲェな、、手、大丈夫なのか?
零:う、うん、大丈夫だよ、、、慣れてるし、、
焦凍:そうなのか?
零:う、うん、、////
麗日・響香:ニヤニヤ
麗日:じゃあ私たち、あっちで火、やってくるね〜
零:えっ、、、!
焦凍・零:、、、
零:さ、さて、、私も野菜切ろっかな、、
焦凍:いや、無理だろ。手ぇ、、震えてんじゃねぇか。
零:えっ、、
零side
彼はそう言い、私の手を握った。
丁度その手が彼の右手で、少し冷たかった。
この季節なもんだから、涼しいなぁと思って、ただ私はその手を見つめることしかできなかった。
焦凍:な?だから、切るのは俺がするぞ?
零:、、、ハッ、あ、いや、その、、////
焦凍:?
零:あり、、がとう、、
焦凍:?おぅ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!