どうしよう、A組の皆は私が無個性で、大して強くないことも知っているから
2種目目、私は誰かとできるだろうか、、、
、、、あぁ、やっぱり誘ってくれないなぁ、、
クラスでも目立つ方じゃないし、目立たないようにしてきたから尚更だ。
どうしよう、誰ともできなくて脱落?
そんなのは、嫌だ、、、
緑谷:あっ、あの、、、!夕凪さん、一緒に組まない、、、?
零:え、、、?
緑谷:あっ、いや、まだ誰とも決まってなかったらで良いんだけど、、、
零:誰にも誘われてないよ。わざわざ無個性を誘いにくる人なんて人、緑谷くんだけだよ?
緑谷:えっ、、、いや、僕は無個性とかそういうんじゃなくて、ただ夕凪さんの実力が高いから誘ったんだ、、、!
零:え?私、大してすごい記録出したことないよ?
緑谷:そんなのは関係ないよ。僕は、、やっぱり、夕凪さんは素がすごいと思うんだ。個性把握テストでだって、個性なしであの順位だ。個性を持っている人にも勝てる力を、夕凪さんは持ってる。この騎馬戦でも活躍してくれると思って誘ったんだ。、、、ほら、僕さっきので1位取っちゃって、一緒にやってくれる人が今麗日さんしかいないんだ。
零:そう、、、私で良ければ、お願いします。
緑谷:うん、こちらこそよろしく、、、!
横目で轟くんを見てみると、
飯田くん、上鳴くん、そして百ちゃん。
すごい、轟くんに選ばれるあの3人。
すごいなぁ、、、
やっぱり、轟くんの眼中に私なんていないんだなぁ。
力もなく、容姿も良くなく、頭も普通で、性格も暗い私なんて、
轟くんを好きになる資格すらない、、、や。
できれば轟くんと一緒にいていたいけど、
叶わないお願いだと分かっているので
踠いて踠いて、でも外側からジッと彼を見つめるだけの私。
負け人生なのかな、、、
でも、不思議と辛すぎるわけでもない。
恋なんてしている暇はない、いつ死んでしまうか分からないのだから、、、
と考えてしまう自分もいるのだ。
何から怯えているのか、私は自分が不思議で仕方がない。
私が怖がっているもの、それはなんなのだ。
きっとあの『鬼』であろうが、理由は分かっていないままだ。
緑谷:常闇くんも入ってくれてありがとう、頑張ろう!!!
麗日・夕凪:うん!!
常闇:あぁ。
、、、とにかくは、最終種目まで勝つ。
それだけを意識して、今回だけは轟くんから全力で逃げる。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!