あれから、何故か分からないけれど、轟くんがつっかかってくるようになった。
理由は本人も分かっていないようで、
『なんか、、夕凪のこと見たら、近くに行きてぇって思っちまうんだ。』
カッコいい言葉に聞こえる。
実際、初恋の人の言葉だよ?
どんな言葉でもきっとカッコよく聞こえると思う。
、、、でも!!
私は、今籟くんが好きなんだよ。
轟くんじゃないんだよ。
自分にそう言い聞かせる。
籟くんが私のことを大切に思ってくれているのだから、私もお返ししないと。
、、、しかも、きっと轟くんは「あの日」のことがあったから、今までより私につっかかってくるようになったんだと思う。
『朝』
焦凍:なぁ、夕凪。一緒に学校行かねぇか?
零:えっ、、、行くって言っても、数分で着いちゃうけどね。クスッ
焦凍:、、、久しぶりに、夕凪の笑ってる顔見た気がする。
零:え、、、?
三奈:(待って待って待って?!あれ、浮気?!浮気なの?!)
麗日:(で、でも、零ちゃんが結城くんのこと好きかどうかは、、、)
響香:(微妙なとこだよね。前も、あのこと彼氏に言うのかって聞いたら、考えるって。私たちには言ったのに、彼氏には言わないって、、なんか違くない??)
八百万:(確かにそうですわね、、、)
蛙水:(きっとまだ轟ちゃんのことが心残りなんだわ。)
葉隠:(私的には、轟と零ちゃんの恋を応援するけどなぁ〜)
三奈:(私も!!やっぱり、彼氏さんには申し訳ないけど、零ちゃんは轟が好きなんだと思う!!)
響香:(うん、、、零って、恋愛とかしてこなかったぽそうだから、多分ちゃんと「好き」を知らないんじゃないかな。そんな中で、無意識に轟のこと意識してるって、、もう轟が好きって言ってるようなもんじゃん。)
麗日:(クハッ確かに!!!)
零:、、、どうしたの?そんなに見つめて、、、
葉隠:な、なんでもないよ?!じゃあまた、学校でね〜!
零:え、、、?あ、うん、、、
零:、、、嫌われちゃったかな、、、
焦凍:?別に、そういうのじゃねぇと思うぞ。
零:え?
焦凍:、、、だって、あいつらがそういうことするわけねぇだろって。
零:んまぁ、、確かに、そうだよね。
焦凍:、、、前言ってた師匠って言うのは、男か?
零:え?うん、そうだよ。
焦凍:そうなのか、、、
零:なんで?
焦凍:いや、、そんなに大事な人ってことは、好きな人なのかと思って、、
零:、、、そ、そんなわけないでしょ、、、!前世は、いつ死ぬか分からない状態だったんだから、、恋してる暇なんて、なかったよ。余裕もなかったし。
焦凍:そうか、、、じゃあ、お前は結城ってやつのこと、好きなのか?
零:え、、、?
焦凍:付き合ってんだろ?付き合うって言うのは、どっちも好きじゃねぇと付き合えねぇんじゃねぇのか?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!