〜さとっちゃん視点〜
部屋に着く。
ガラララ…
スマホにイヤホンが差してあって布団を被っているから何か聴きながら寝落ちしたんだろう。
画面がついてる。ついさっき寝たのかな。起こさないようにしよう。
スマホの画面に"Crybaby"と書いてあるのが見えた。
寝る直前まで髭男聴いてたのか…。
嬉しい。…嬉しい。うん。
それ以上に何かな…嬉しいんだけど…?
まぁいいか…。寝よ。
〜次の日〜
朝の…
6時。あなたの下の名前ちゃんは…。
もぞもぞと布団から出てベットの上に座る。
皆起きてんのかなぁ。ちゃんまつと大ちゃん大丈夫かな。
あなたの下の名前ちゃんが。
泣いてる。寝ながら泣いている。悪い夢でも見たのかな。
えっと。えぇっと…。
そっとあなたの下の名前ちゃんの頭を撫でる。
あ,起きた。
ヤバい。とっさによしよししたけど普通にヤバいやつだ。
〜あなた視点〜
起きたらさとっちゃんに頭撫でられてた。どういうこと…心臓がヤバい。バクバクしてる。
さとっちゃんがあたふたしている。
慌てていて気が付かなかったけれど頬が濡れている。私寝ながら泣いてたのか。それでさとっちゃんが撫でてくれ…。
優しすぎるでしょ…。
さとっちゃんは分かりやすくしょげた。
二人で真っ赤になっていると。
コンコンッ
慌ててドアを開けに行く。
まだ頭にはさとっちゃんの手のぬくもりが残っていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!