〜次の日〜
2日間も徹夜なので足元がおぼつかない。
朝ご飯は作らなかった。どうせ喉を通らないだろう。
ほとんど意識せずに会社まで行く。
お腹が痛くなってきた。拒否をしている。
それでも足を前に進めた。
何も言わずに自分の机の前まで行く。慣れた手つきでパソコンを立ち上げ、仕事をする。
2人がこっちを見てくる。そのまま仕事を続ける。
相変わらず気持ち悪いが、何もしてこなかった。それが今日される事を物語っているようで恐ろしかった。
そのまま仕事を終わらせ、退社する。
何も考えない。上司の後ろをそのままついて行った。
1時間ほど移動し、家につく。ボロいアパートだ。
異常なテンションの高さが怖い。アパートの一室に入る。
帰りたい。
バックを傍らに置き、正座をする。
あくまでも仕事上の付き合いだとしっかり見せたはずだが全く気にしていない。
しばらくつまらないゲームをしたり、永遠と愚痴を聞かされたりした。
2時間ほど経った頃だった。
ぐいっ
また抱き締められるのか、気持ち悪い。
今…。
こいつ…。
吐き気を必死に抑える。
頭が痛い。気持ち悪い。お腹が痛い。目眩がする。
私にキスした。
駆け出す、靴を履くのももどかしい。
いつの間にか部屋に居た。
あんなやつに…
なんであんなことを
もう…。
その先を考えるのが怖かった。でも止まらなかった。
もう。
死にたい。
そうだ。
私は死にたい。
何でそんなこと。
さとっちゃんも大ちゃんも楢ちゃんもちゃんまつも仲良くしてくれたのに。
死にたいって。
皆が仲良くする友達はたくさんいて自分はその内の一人なだけだ。
なんて。
最低じゃん
私は最低なんだ。
世界から必要とされてない。
居ない方が
消えた方が
死んだ方が
役に立つんだ。
そうだったんだ。
早く役に立たないと。
こんなに耐えてしまった。
迷惑かけないようにって溜め込んでしまった。
死なないと。
そう思ったのに。
気付くと電話をかけていた。
番号はさとっちゃんのものだった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。