楢ちゃんは着替えをサッと置いてサッと出ていった。
ホント、皆ありがとう
お風呂は広めで綺麗だった。シャワーを浴び、湯ぶねに浸かってから出る。
体を拭き、着替えてからリビングに行く。リビングからいい匂いがした。
仕事関係の連絡…?でも違和感が…。
楢ちゃんがスープをよそって、渡してくれる。さとっちゃんと並んで椅子に座る。
ちゃんまつも電話を終えたようで戻ってきた。
お腹のあたりが温まって気が緩み、泣きそうになる。
慌ててまたスープを飲み、涙を堪える。
時刻は1:00すぎだ。眠くなってくる。
さとっちゃんの部屋まで案内してもらう。
ベットに潜る。申し訳なさに潰れそうで、でも寝転ぶとすぐに眠くなってきた。
ベットもパジャマもさとっちゃんの匂いがする…。
さとっちゃんはベットの下側に腰掛けている。その姿を確認してから眠りに落ちた。
〜さとっちゃん視点〜
あなたの下の名前ちゃんが寝た。
その寝顔を少しの間見てから電気を消し、部屋を出た。
リビングには楢ちゃんしかいない。楢ちゃんはお皿を洗っている。
ソファーにぼすんと座り、ぼーっとしていると
楢ちゃんはいつの間にか隣に座っている。
軽く笑いながら答える。
楢ちゃんは少し微笑んで言った。
そこで必死に保っていた緊張の糸がぷつんっと切れるのが聴こえた。
目から涙がとめどなく零れ落ちる。
楢ちゃんの方に崩れ落ちる。頭をぽんぽんと叩かれた。
大人げないなと思っても止められない。
昔からこうだった。必死に止めていた感情を楢ちゃんに解放される事。楢ちゃんは上手い。
しばらくそのまま泣く。
〜楢ちゃん視点〜
泣き声が聞こえなくなった。
寝てる…。
ソファーによいしょと運び、毛布を持ってきてかけてあげた。
他の4人を除きに行ったが皆寝ていた。
俺も疲れた。寝よう。
リビングに聡を置いて部屋に戻った。
✄-------------- キ リ ト リ --------------✄
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!