次の日
校門に足を踏み入れた瞬間だった
少し高鳴ってしまう胸を必死に隠す
これこそがチャラいモテ男の手口だ
こんなもので落とされてきた女子が山ほどいるのかな…
なんて思ってしまう
危うく、私もその中の一人になるところだった
うわッ……!!
いきなりの上目遣い//
私が可愛い男子の上目遣いに弱いことをなぜ……!?←いや、知らんわ
ダメダメ
これも手口の一つ!!
こんなことで落とされちゃいけない
もっと話していたい……
なんて想いは見ないフリ
一刻も早くここから立ち去ろう
私が一歩踏み出すと
とめてくれなかった
ここから立ち去ろうとしたのは私
なのに、変な期待をしてたみたい
なによ……
玄関で靴を履き替え廊下を進む
それだけ私に興味がないのだ
好きでもない子を落として楽しんでるのだろう
なのに、私はその中にさえエントリーされていない
そんなどうでもいいようなことが
私の心に深い深い傷をつける
もうこれじゃまるで私が────
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。