テヒョンside
最近、あなたに絡んでるやつがいる
クラスの奴から聞いた
クラスの大半の男子には俺の好きな人なんてバレバレだ
だからわざわざ俺に教えてくれたのだろう
俺は部活が始まる前、あなたは帰宅部だから校門を見に行った
いた………
やっぱり誰かいる
…なんだよ、結構イケメンじゃん
俺もちょっとずつ自覚してきた部分はある
でも俺より明らかに整った顔立ちだ
同学年にはあんな奴いなかったと思うし…
となると1年だ
くっそ、
1年になんて負けてたまるか
俺は幼い頃からずっとあなたを想っているんだ
物心ついた頃からすでに隣にいるのが当たり前で
どんな時にも笑顔で俺のそばにいてくれた
絶対あなたは渡さない
そう思っていた矢先、
会ってしまったのだ
チョンくんとやらに
移動教室に遅れそうであなたの腕を掴み、走った
ほんとにドキドキして走るのも大変なくらい
走っているとあなたがすれ違った人を目で追った
誰だろう、もしかして………
そう考えたら自然と足は止まっていた
振り返るとやっぱりアイツだ
あなたのこと本気だろうと本気じゃなかろうと、
俺は近づかないで欲しかった
だから言ったんだ
俺たちは付き合ってるって
でもアイツが去っていったあとのあなたはまるで、
絶望の塊だった
目には涙まで滲んでいる
そんなに、そんなにアイツのこと、、
俺はあなたとしっかり話すため、保健室へと向かった
ずっとそばにいたのは、俺なのに……
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。