ママはやっぱり質問ばかりだった。でももう
これ以上ママを困らせたくない一心で…
まだ心配そうにはしていたけど話してしまうときっとまた困らせてしまう。
素直に助けてって言えないよ…
何か言いたげなママに有無を言わさないように逃げるように自室に閉じこもった
次の日からもいじめは続き日を追うごとに
酷くなっていった。
でも私はいつものように笑顔で…明るく…
自分に対する相手にはだれでも構わず嘘の笑顔を貼り付けた顔で接した。
昨日は何かで殴られたなぁ…なんて考えながら
一人取り残された教室で怪我の手当てをする。
早く治しておかないと明日この傷口に
いじめっ子は何をするかな?ママはどう思うかな?
冷静に考えてしまうのも、きっとこの現状が当たり前に変わってしまったから。
いつの間にか身についた「作り笑い」
自然とできた「偽りの自分」
私は、
私は… ?
ワタシハダレ?
…もう、やめよう
この時の私は誰かが見てたなんて知る由もなかった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!