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第5話

出会い
6
2019/07/05 08:38
ひなた
ひなた
痛っ…今日はちょっとキツかったかな…
いつものようにいじめられてまた一人手当てをする。偽りの自分に慣れてしまったのか嘘をついても何も罪悪感を感じなくなってきた。


今日はハサミを振りかざされた。
毎日酷くなっていくいじめにはきっと終わりがないのだろう。よくネタが尽きない事だ…
彼奴らに向かって感心してしまうほど私にはもうほとんど生きる気力や未来を見る力は無くなっていた。

はずだった…
ゆう
ゆう
忘れ物しちまった…あ、
同じクラスメイトの子だった。
確か…如月君…人気者の彼からしたら私みたいな いじめられっ子は目に毒だろう…
それに、この姿を見られてしまった。

別にどうでもいいはずなのに何となくこの空間が 嫌だった。向こうは私を見るなり石のように固まってしまった。…何だか申し訳ないな…
ゆう
ゆう
えっと…新橋さん?だったよな?
…その傷どうした?
ひなた
ひなた
え?…あ、えっと…
初めて喋った相手に初めて心配された。この感じが   どことなくくすぐったい感じだった。
ゆう
ゆう
言いにくいんなら別にいいぜ。無理すんなよ。俺、新橋さんの事を全然知らねーけど何かを必死で頑張ってるのだけは知ってるから安心しろ
ひなた
ひなた
え…う、うん…
何故か閉ざしていたはずの心に響く彼の言葉…

何かが違って感じた。ほぼ初対面の人にいきなり心配されて、肯定されて…分からない…
彼の眩しいほどの笑顔も、何かが違う

知らないことばかりでパニクってしまう
ゆう
ゆう
あ、そー言えばまともに自己紹介してなかったな!俺、如月 ゆう。サッカー部なんだ。よろしくな!
輝くような満面の笑みで手を差し出してくる。
でも、私はその手を握れなかった。
ひなた
ひなた
あ、え、はい…よろしくお願いします…如月君…
ゆう
ゆう
なんか堅いな…気軽に呼べよ。周りの  やつは俺のこと“ゆう”って呼んでるからそう呼んでくれ!あと同級生なんだし敬語も禁止だぜ?
ひなた
ひなた
え⁈…は、はい、じゃなくて!…
う、うん…よ、よろしくね…ゆう君…
ゆう
ゆう
おう。新橋さんは?
ひなた
ひなた
え?
この流れはもしや…
ゆう
ゆう
自己紹介。これも何かの縁だろ。
せっかくだし教えてくれよ。
やっぱり…
ひなた
ひなた
私は、新橋 ひなた。部活には入ってないけど家の手伝いとかしてます。
ゆう
ゆう
ひなたって言うのか。可愛い名前じゃないか。もっと自信もてよ〜それに手伝いって…俺何もしてないから尊敬するわ〜
これからよろしくな!ひなた!
新手のナンパだろうか…いや、そんなわけないよね。自分に興味を持たれたのがすごく久しぶりな為戸惑ってしまう。
ゆう
ゆう
それはそうと…その傷、ちゃんと手当てしないと跡が残ると思うぞ?何があったか知らないけど女子だし、気にするだろ?
ひなた
ひなた
うん…でも大丈夫だよ!私がちょっと  ドジしただけだよ!
この優しい空気に惑わされちゃいけない。いじめてくるやつもみんな始めはこんな接し方だった。ゆう君には申し訳ないけど早くここから出ないと…そう思っていつもの「作り笑い」を貼り付けてみた
ゆう
ゆう
お前…何笑ってんだよ…辛い時に無理して笑う必要なんてない。その笑顔はもういいから、傷口を見せろ。
なんでだろう…ゆう君には…通じない…?
ゆう
ゆう
だいぶ酷い…悪意があるな、この傷…
ちょっと消毒するぞ?染みるだろうが 我慢しろ
そう言って私の腕を掴んで手当てをしてくれた。他人にしてもらうのはいつぶりだろう…
ゆう
ゆう
これでよし…なぁ、この後時間あるか?
俺今日一人だし一緒に帰ろうぜ?
ひなた
ひなた
え…でも、お互い家を知らないし…
ゆう
ゆう
送ってくから気にすんな。第一もう      こんな時間だ。これから暗くなるのに   女の子一人で返せるわけないだろ。      これだけ傷ついてんだし。
一緒に帰る…?送っていく?
今日知り合ったも同然のクラスメイトに
こんなことを言われてはパニックにならないわけがない。急に私の心臓が早くなる。
甘えても、いいの…?
でも彼はきっと仕方なく出した提案。迷惑をかける事は出来ない。
ひなた
ひなた
…でも、多分ゆう君に迷惑だろうから大丈夫だよ。いつも一人だし。気にしないで!
ゆう
ゆう
誰が迷惑なんて言ったよ。お前の思い違いだ。俺がそうしたいんだ…いいだろ?
…まぁ、家知られたくないって考えなら途中まででもいいし。
ここまで寄り添ってくれる人は初めてだ。お人好しっていうか何というか…
ゆう
ゆう
ほら、帰るぞ〜
ひなた
ひなた
え⁈…ちょっ待ってよ!






この日私は初めてだらけだった。









彼なら…彼なら…少しぐらい
















信じてもいいのかな。