それは小学五年生の時だった…
---------バタンッ--------
こうして私は救急車で病院に運ばれた
このあと何事もなく目が覚めていつものように
毎日の学校も楽しんでいた
はずだった…
突然私に不思議な力が身についていたのを
私は知らなかった
この事件から度々こんなことが起こっていた
でも、実際には相手に指一本触れていないのに
手を相手にかざすと怪我をしたり
突き飛ばされたように尻餅をついたりしていた
何度か繰り返しているうちにようやく自分でも
何が原因でどうなるのかが分かってきた
それは感情が高ぶった時に自分の手から
力が生じて 思ってもいないのに
何かを壊したり、傷付けたりしてしまうという
謎の法則だった
でも、気づいた時にはもう遅かった。
私の周りにはもう誰も近づかずに聞こえてくるのは悪口ばかりだった
こうして私はいじめられていった
ママは助けてくれようとしたけど私はもう
どうでもよくなっていた
私に力がある限りもう誰も私を助けてくれない
もう、誰も…
制御できないこの力は次第に強くなっていき
同時にいじめもエスカレートしていった
後にまた分かったことがあった
それは能力の力が強くなったことにより
左目が常に緑色になってしまったことだった
これが原因で近寄ってくる人は更に気味が悪いと減ってしまった
私にはこんな過去がある
今暗いのはきっとこの“能力”のせいだ
不幸せなのはこの“力”のせいだ
もう、どうでもいいや…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。