司会者さんがそう言うとおっぱはすぐに飛びついてきた。
って私の耳元で囁いた。
高校時代カムバックとは、みんなの前でキスしようと言ってるのと等しい。
私が耳を真っ赤にさせると今まで静かだった観客席が黄色い歓声に包まれた。
それで他のメンバー達は「しーーっ」って言ってるのが聞こえる。
だけど静かになる前におっぱは高校時代カムバックさせてしまった。
体育祭の時にしたような濃いきす。
久しぶりだった。
今まで練習で大変だったからキスなんてする時間がなかった。
だけど久々のキスがデビュー日の舞台の上だなんて誰も想像するはずがない。
そしてまた会場は黄色い歓声に包まれていく。
おっぱの胸板を叩くけど全く動じずに必死でキスをするおっぱ。
どれくらい時間が経ったんだろう。
やっと私はおっぱのキスから解放された。
メンバーからの視線が痛くて前を向くことが出来なくておっぱに抱きついてしまったのだ。
私を抱きしめたままみんなにそう言った。
私にはおっぱの語尾にハートがついてるのを見逃さなかった。
司会者さんが話そうとしているのにじゅにおっぱがその話を遮った。
こんなに話に時間を掛けてしまって大丈夫なのか、と一瞬思ったけど
今日はSEVENTEENスペシャルで3時間ずっと喋ったり歌ったりするからどれだけイチャイチャしてもいいよと社長に言われたのを思い出した。
あの社長、おっぱ達とグルだったのか。
と思いながらじゅにおっぱの話を聞いた。
司会者さん 「 おおっ 、 いけめん発言ですねぇ 」
司会者さんもメンバー達も観客席にいる皆さんも今は私たち(?) のバトルに夢中だ。
この状況は誰にも止められないということを私は悟った。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。