人と話すこと
これが私にとって1番苦手なこと。
相手が話しかけてきてくれた時、
向こうの期待に答えられない。
なかなか答えられない私に
『めんどくさい』
って思うよね。みんな。
知ってる。
けど、、、、けど、、、
ガタンゴトン ガタンゴトン
満員電車。
私の降りる駅まではまだまだある。
もう何年目かになる満員電車も
もう慣れた。
……ん?
……もしかして…
太ももに違和感を感じる。
肌を滑る気持ち悪い感覚。
気づいた時にはもう手はスカートの中に入ろうとしていて
普通の人でも声が出せないこの状況。
辛うじて助けは呼べるのかもしれないけど。
私には絶対に無理だった。
……気持ち悪い
私とその手の間に誰かが立った。
急な状況に振り向くと私よりも20cmは大きい男の人がいた。
優しい声だった。
『ありがとうございます』
って言いたい…言いたいのにっ…
声が出せない。
駅員 次は○○〜
そう言って男の人は私の手を掴むと
人の流れに乗り電車を降りた。
そのままあまり人のいない
ホームの端へ連れていかれる。
話せないっ…
そう言って優しく背中を撫でてくれる。
柔らかくて温かいその人の笑顔に涙が出る。
ありがとうって
伝えたいっ…
はい!ありがとうございましたっ!
たろりの笑顔ってなんか気持ちがふわってなるんです…(わかってぇぇ)
辛いことあった時とかいつも救われてます…
私も誰かにとってそんな存在になれるといいなぁ〜
ステラ✩.*˚
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!