第3話

食べるのが遅くて… 梅原裕一郎
241
2020/09/30 16:24
人って案外、他人から見たらアホみたいに思えることですっごい悩んでたりする。






私も。






私の場合、悩んでいるのは『食べること』。






小学校の時から給食の時間が憂鬱で、






先生から






『食べ終わった人から休み時間ね。』






『残しちゃダメ!』






『早く食べなさい』






ってずっと言われてたし……






最初はただ単に食が細いだけ、食べるのが遅いだけ…






って思ってたけど、







段々と大きくなるにつれて、不便なことも多かった。







家族でどこかご飯を食べに行く時も嬉しいはずなのに






『食べれなかったらどうしよう…』






とか、






『どうせ1人前食べれないから…』







って、好きなものが食べれなかったり。







友達と遊んだ時も、部活のお昼の時も、学校のお昼ご飯だって






゛楽しいごはん゛





の時間は私にとってただの地獄だった。





そんな私にもやっと春が来た(?)






彼氏が出来ました。





とっても優しくて、かっこよくて、






口はちょっと悪いけど






二人でいる時は優しく見守ってくれてるみたいで…






ほんとに大好き。





だけど、何をするのにも






癖のように着いてくる不安な気持ち。






『またたべなくちゃ…』





今日はデート。








あなた

梅ちゃん!

うめちゃん
うめちゃん
ん?
あなた

こっちだよ!

うめちゃん
うめちゃん
わかってるわかってる
うめちゃん
うめちゃん
そろそろお昼にするか
あなた

…うん






梅ちゃんには食べることが苦手だってまだ言ってなかった。






苦手なものを怖がる女の子って可愛いけど、





それが『食べること』となると、







1日3回あるわけだし、気を使わせることは間違いない。





さてどうするか……





うめちゃん
うめちゃん
あなたなんか食べたいものある?
あなた

んー

あなた

(どうしよ…)

あなた

梅ちゃんは?

うめちゃん
うめちゃん
俺はなんでもいいよ。あなたの食べたいもので
あなた

そっかぁ〜

あなた

でも今お昼時だし、どこも混んでるよね…

うめちゃん
うめちゃん
入れそうなとこ適当に探すか
あなた

……うん





そのまま30分くらい歩いてやっと入れそうなお店を見つける。






けど、、、メニューを見るとどれもボリューミーで食べれる気がしなかった。





(…どうしよう)





うめちゃん
うめちゃん
決まった?
あなた

どうしようかな〜

うめちゃん
うめちゃん
俺これにするわ
あなた

あ、じゃあ私もそれがいい!






……でたでた。私の悪い癖。






相手に合わせちゃうんだよなぁ。






たとえそれが私にとってめちゃめちゃ不利なことでも。







ほんとつくづく嫌になる。






店員さん
店員さん
お待たせ致しました〜
あなた

あ、ありがとうございます!

うめちゃん
うめちゃん
ありがとうございます。
あなた

美味しそうだね〜

うめちゃん
うめちゃん
そうだな
あなた

いただきます!

うめちゃん
うめちゃん
いただきます!














あ〜絶対無理なやつだこれ。






食べれない。






最初から分かってはいるけど、






改めてその状態を前にすると






喉を通らなくなる食べ物たち。






あなた

(…ほんと、やだ…)






ほんとにほんとに自分が嫌になる。






たかが『食べること』で。






梅ちゃんの様子をちらっと見る。





すると、
うめちゃん
うめちゃん
ん、どした?
いつも通りの優しい声で私の様子に気がついたのか心配してくれる。





あなた

…んーん。なんでもない

うめちゃん
うめちゃん
あなたさ




ドキッ







と心臓が痛かった。







また、食べるのが遅い、





とか早くしろよ、






とか言われるのかな。






まぁ、そうだよね…





あなた

なに?

うめちゃん
うめちゃん
食べるの苦手だったりする?
あなた

へっ?






なんで……?




うめちゃん
うめちゃん
やっぱり?
うめちゃん
うめちゃん
俺の姉貴も食べるの苦手でいつもご飯の時間辛そうだったんだよ。
あなた

そうなの、?

うめちゃん
うめちゃん
うん。あなたの表情そんときの姉貴に似てたから
あなた

そっか…

あなた

実はそうなんだよね。

あなた

小さい時からずっと。

あなた

ご飯の時間が憂鬱…で

うめちゃん
うめちゃん
変わってやることは出来ないけど、俺が一緒の時は無理しなくていいからな
あなた

うめちゃん…

うめちゃん
うめちゃん
辛かったな。気づいてやれなくてごめん。
大丈夫。俺結構食うから残したら食ってやるし。
うめちゃん
うめちゃん
食べれる分だけ食べな?
うめちゃん
うめちゃん
な?
あなた

うんっ…





梅ちゃん。ありがとう。










はいっ、ありがとうございました、






第2回は『食べること』でした。





実は私も食べることはあまり得意じゃなくて…





でもお腹が鳴ったり、空腹感に見舞われるのが嫌で嫌で仕方がなくて、、、






食べることはほとんど作業でした…





『食べれるだけ食べな?』





って言葉にどれだけ救われたことか…







と、私の話はどうだっていいですよね!!






今回も読んでくださりありがとうございました!





もし皆さんのお悩みあったらコメントしてください!




ひとりじゃないよっ!!!






ステラ✩.*˚

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