第5話

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2022/04/30 14:44


それから僕は、はるちゃんの家に毎晩招待され、ご飯をご馳走になりました。

相変わらず、はるちゃんのご飯は美味しいです。

ある日、いつものように会話をしていると、
ガチャガチャというドアを無理矢理開けようとする音と共に、
ガチっとしていて、少し雰囲気が怖そうな男の人が部屋に入ってきました。

その男ははるちゃんに向かって、
謎の男
やり直そう!!
と大きな声で言いました。
はるちゃんの顔を見ると、真っ青になっていて、怖がっているようでした。
はるちゃん
なんで、家の住所…わかったの…?
はるちゃんが恐る恐る聞くと
謎の男
それは別にいいじゃん。やっとまた会えたんだから
その男は僕を見て
謎の男
誰こいつ?まさか彼氏?そんなわけないよね?遥乃は俺のことが好きだもんな!
えっと、情報収集が追いつきません。
勝手に入ってきたこの男。

はるちゃんの腕を握っては「やり直そう!」とばかり言います。
それを涙目になりながら「やめて」というはるちゃん。

これはどうしたらいいのでしょうか?

でも、はるちゃんがこの男にこんな顔をされているのが、僕はとても腹立たしく思いました。


あの、あなたは誰ですか?
一旦まずは情報収集、
と思い、僕はこの男に聞きました。

謎の男
あ?こいつの彼氏だよ
はるちゃん
違う!別れたじゃん…
謎の男
別れたつもりは俺はねぇよ!

え?一体これはどういうことだ?
はるちゃんは別れたといい、
彼は別れてないと言いはります。


僕が悩んでいると、はるちゃんは僕の後ろに隠れ、服をすっと引っ張りました。
彼女の顔を見ると、今にも泣き出しそうです。

謎の男
お前さ、一体誰なん?遥乃のストーカー?
彼氏です…
謎の男
あ?なんて?
彼氏だって言ってんだよ!お前みたいなはるちゃんの気持ちを考えないクソみたいな男は、はるちゃんの前から消えろ
謎の男
彼氏?お前嘘ばっかり…
嘘じゃねぇよ。はるちゃんにこんな顔させたやつは、僕がぶっ殺してやるからな。二度と近づくな
自分から出したことのない低い声に気づいた時には、もうあの男の姿はなかった。

はるちゃん
いっくん…ありがとう
と彼女は泣き崩れます。
はるちゃん
怖かった…いっくん、ありがとう
いや、僕は何も、、あの男はなんなの?
はるちゃん
あの人はね…


はるちゃんはゆっくり少しずつ話してくれました。


あの男は、はるちゃんの元カレみたいです。
長い付き合いだったみたいで、別れるまですごく時間がかかったみたいです。


別れの原因になったのは、男のDV。

彼の仕事が上手くいかなくなると、はるちゃんに八つ当たりするようになりました。

お金をせびるようになったり、
暴力をふるうようになりました。
それに耐えきれなくなったはるちゃんは、別れを決意したようです。

当時は何事もなく別れることができましたが、1ヶ月を経った頃、
はるちゃんの家にいきなり彼が入ってきて、「やり直そう」と何回も言いにきたそうです。

それが付き纏いへと変わってきたので、引越しをしたのに、今日、その男が家に来たということだったみたいです。
じゃあ、僕はあんな風に言ってよかったってこと?
はるちゃん
うん…追い払ってくれて、嬉しかった。それに、いっくんの言葉も嬉しかった
ごめん、小説とかを書いてるとロマンチックな言葉しか出なくなるんだよね笑
はるちゃん
じゃああの言葉も?
何の言葉?
はるちゃん
彼氏って、、
あ…

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