5階に着き、誰もいない廊下を歩く
少し歩くと、526号室があった
鍵を差して回すとちゃんと開いたので、本当に彼女の家みたいだ。
玄関に放る訳にもいかないので部屋に上がらせてもらう
電気をつけると、綺麗に片付けられていて女性らしい部屋だった。
見渡していると、棚の上にひとつの写真立てを見つけた
彼女と、ミンギュくんらしき男性
ひまわり畑で幸せそうに笑いあっている写真だった
彼女の優しさ故に別れた2人
本当にこれで良かったのだろうか。
僕があの時やり直せと言ったなら
この幸せそうな2人は別れずに済んだのだろうか。
少しは彼女のことが気になっているはずなのに、こんな気持ちになるのはなんでなんだろうか。
自分の気持ちが分からなくなった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!