AM5:30
微かに入る陽の光で目が覚めた
僕の腕の中で眠る君
でも僕は、君の名前すら知らない。
彼女が起きる前に、出ていかないと。
『一晩だけ』
そういう約束だから。
僕に抱きついて眠る彼女の腕を離し、布団から出た
身なりを整え、彼女に向き直る
彼女はシンプルなゴールドのピアスをしていた
彼女が起きないように、片方だけそっと外す
僕は左腕に着いた腕時計を外し、ベッドの上に置いた
彼女との約束と自分の行動が矛盾していることくらい分かっている。
AM5:40
名前も知らない彼女の家を出て、タクシーで最寄り駅へ向かった。
その途中、昨日のアルコールのせいか、眠ってしまった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。