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第5話

Part4(まさかの展開)
 それから1週間、放課後、部活の前に一緒に走った。最初は体力的な問題で5分だけだったけれど、慣れて20分は頑張って走れるようになった。
日曜日、トークアプリでのやり取りで、小学校の周りを数周走ることになった。約束の5時の10分前に学校に着いた。でも、彼はもっと早くに来ていたらしく、校門の前に座っていた。
「ちわーっす!元気ないじゃん。どうしたの?」
高鳴る気持ちを抑えながら、彼に話しかけた。今、この場所で好きだってバレたらダメだからね…。
しかし、彼から返ってきた言葉は、思ってもいないものだった。
「別れたんだよ。」
「ん?」
聞き間違い…だよね?
「里莉(さとり)と別れた。」
あ、あれだけ仲の良かった里莉先輩と、別れた!?さ、最低でも2日前まで仲が良かったのに…。
頭が追いつかず、真っ白になる中、彼は続けた。
「あいつ、坂下高の3年のヤツと二股してやがってさ…」
声が出ず、頷くことしか出来なかった。
「だからさ、こっぴどく振ってやったんだよ。昨日。」
「“お前みたいなヤツを、もう彼女とも友達とも思えない”ってさ。」
「だけどさ、まだ正直諦めきれてねーんだわ…ハハ…。」
悲しそうな目をしている彼を見て、なんと声をかけていいのかわからなくなった。
きっと今、彼の目には私も、学校前のこの綺麗な夕日も見えていない。彼女だった里莉さんとの思い出だけが、彼の目の前を横切っているのだろう。
校門にかかっている彼のタオルを取りに行き、彼の横に座った。そして彼にたたんだタオルを差し出して、背中をポンッと軽くたたいた。その後、私は彼にこう言った。
「泣きたいときには泣いた方がいいよ。私が年下だとか、色々そーゆーのどーでもいい。何も気にしなくていい。だから今は、泣きなよ。」
彼は無言だが、下を向いて泣き始めていた。私もただ横で彼の背中をさすっていた。
15分程した所で、彼はだいぶ落ち着いたらしく、顔を上げて夕日を見つめていた。私もそれにならって、夕日を見た。
「ありがとな。」
「え?」
急に話しかけられてびっくりした。
「お主、やっぱ優しいな。」
「そんなこと、ないよ。」
「そんなこと、あるよ。」
彼の横顔は夕日に照らされてオレンジ色に輝いていた。その時の笑顔は、今まで見てきた誰の笑顔よりも綺麗だった。
「走らなくて…いや、走れなくて悪かった…。」
「え!?いや、別に…大丈夫だよ?なんて言えばいいのか分からないけど…。」
「うん。ありがとな。大丈夫だよ。」
1分ぐらいなのに、5分に感じるくらいの沈黙…。
「「…じゃっ…!」」
「「っぷっふははっ…っ」」
「一緒になるとか…っ」
「ハモった〜っっ」
何も言えずにお互い黙っていたのに、同時に、しかも同じことを言うなんて…。
やっぱり、さくちんといると安心するな〜と思いつつ、
「じゃあね。」
「じゃあな。」
と言って別れた。

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Minmin
Minmin
こんにちは!こんばんは! 「Minmin(ミンミン)」と申します! よろしくお願いします! (前の名前は千鶴、みぃでした!) 【君からのメッセージ】 どうぞよろしくお願いします…。 お気に入りありがとうございます(*ˊᵕˋ*) 最終確認((2019/09/04 07:53)分単位) 1年近く開いてなくてごめんなさい💧 更新頑張っていきます!!笑 #Sho-Comi #ボカロ #ひとしずく×やま△ #Lv999の村人 #読書(マンガとかも) #アナタシア #踊ってみた etc… 繋がりませんか? 学生だという理由もありますが… 超低浮上なので返信遅いです。 これからもどうかよろしくお願いします。 皆様の心に響く作品を… (私のモットーです苦笑)
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