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第1話

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2018/12/22 05:54
此処はお嬢様の部屋、俺は彼女の指輪を見つめて『 やっぱり俺じゃあかんのか』そう思った。その時、彼女と目があった。俺には彼女の目は「助けて欲しい」と訴え掛けているように感じた。上目遣いで
「望。」
と彼女が俺を呼ぶ。
『 どうしたんですか? あなたお嬢様』
俺はふふっと笑いながら言った。
「二人の時は哀でいいの」
彼女もまた笑いながら言う。俺は気付けば彼女という沼にハマっていた。でも今では彼女を連れ去りたいとまで思っている。 明日ヤツがこの家に来る。─ヤツとは哀の婚約者の事だ─。俺はあなたに言う
『 明日此処からあなたを連れ去りたいと思う』
あなたは最初ポカンとしていたが後に理解したようで、真剣な顔でうなづいた。
  翌日、俺は、ドアノブを握り哀の方を見た、あなたの瞳には怖いという気持ちも混じっているような気がする。だが彼女は俺に向かって微笑みながら頷き指輪を抜き捨てた。それを見た俺はドアノブを捻る。ドアがキキィーという音を鳴らしながらゆっくりと開く。
そして、俺達は、走り出す。

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