しかも、姿から見るにまだ幼い男の子を…!
………少しの沈黙………
え⁈
…あれ?何も起こらない…?
あ、そうだった
と思った瞬間、緊張が逸れたのか、カーペットにへたり込んだ。
知らなかった。
…失礼な事、言っちゃったかも、、、
向こうは私を知ってるみたいだけど、私はこの妖の事なんて知らない。
初対面、の筈なんだけど…
フードとかで気づかなかったけど、
白い耳、そして白い尻尾。白い頭髪もかな…?
どうやら、白狐の妖みたいだ。
まだ傷も完全には塞がってないのに…
…でも、やっぱり…
一緒に行きたい…!
なんで、こう思うんだろう…?
やった…!
え…?
え?
でも、彼の顔も人間だけど…
…そう、なんだ…
どうしよう…
行けなくなっちゃうのかな…
ポンッ
目が霞む。
それから、私はしばらくの間気を失ってしまった…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。